北京では、昔、旧暦の6月6日(今年は新暦7月1日前後)が一年のうち最も暑い日とされていました。暑い日を快適に過ごしたり、逆に強い日差しを利用したりと、人々はいろいろと工夫してきました。そして、さまざまな風習やしきたりも生まれました。しかし、今日では、旧暦6月6日の風習に従う人はほとんど見られません。
【書画を干す】
皇室には、書画を干すしきたりがありました。旧暦6月6日になると、皇室の人々は、宮中に所蔵されている書画を出してきて、強い日差しにさらします。書画のほか、儀式などに使われる旗や傘なども干されました。このしきたりは明代から始まったものだそうです。
【味噌を作る】
庶民たちは旧暦6月6日に味噌を作る風習があります。6月6日の朝、井戸の水を汲んで味噌を作ります。味噌は強い日差しにさらすと、さらにおいしくなるといわれます。そのため、この日に味噌を作る風習ができたわけです。
【餃子、うどんと餅(ビン)を食べる】
日本では暑い時期、スタミナ料理を食べるのと同じく、昔から北京でも、「体力をつける」料理が好んで食べられます。「頭伏餃子、二伏面、三伏烙餅巻鶏蛋(初伏に餃子、中伏にうどん、末伏に餅に卵焼きを食べる)」という言葉があります。
初伏:夏至後の三度目の庚(かのえ)の日
中伏:四度目の庚の日
末伏:立秋後、初めての庚の日
初伏、中伏、末伏(立秋後初めての庚の日)を総じて、三伏といいますが、最も暑い時期とされています。
【濠でゾウを洗う】
明の時代から、6月6日に北京周辺の濠でゾウを洗う風習がありました。これは毎年恒例のイベントとして北京市民が楽しみにする行事でしたが、現在その風習はすでになくなっています。ゾウを洗う濠としては、宣武区にあるものが最も有名です。旧暦6月6日になると、「ゾウ洗い儀式」を見る市民で濠の周辺が埋まったそうです。(編集:コオリ・ミン)
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