前門は天安門広場の南にある正陽門のことで、そこから始まる道は、前門大街と呼ばれています。最寄の地下鉄駅・環状線(2号線)の前門駅のほか、天安門東駅、天安門西駅からもわりと近いし、バスの路線も多く走っており、交通の便がとてもいいところです。そのため、とても混雑するイメージもあります。
前門大街は、歴史の古い街で、北京城の入り口に建ち並ぶ屋台の市場に当たる場所でもあります。今では、ほとんど建物になっており、清代から続くという老舗も多いです。当時、ここに店を構えること自体は一種のステータスだったので、現存する店は、国内でも屈指の名店ばかりです。
世界でもよく知られている北京ダックの老舗・全聚徳、お茶の張一元、漢方薬の同仁堂などがあります。また、履き物の内聨升、チャイナドレスの仕立て屋なども、国内外の観光客でにぎわっています。
一方、大柵欄は名前のとおり大きな柵があった街です。前門大街の脇から西へと伸びる横道です。ここは昔、歓楽街で、飲食店や遊び場の多いにぎやかな街でしたが、夜になると、安全確保のため、柵で出入りを遮断することから、大柵欄と呼ばれるようになったわけです。今は当時の面影がありません。道路の両側には、食堂や雑貨、CDショップ、洋服屋などさまざまな店が並んでいます。 (編集:コオリ・ミン)
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