北京の地図を広げると、故宮を中心に日壇公園(東)、月壇公園(西)、天壇公園(南)、地壇公園(北)があります。「壇」とは、皇帝がお祀りをする場所で、昔は「皇室の庭」とも言われていました。
天壇は、皇帝が天帝(天の神様)を祭るため、最も重要な場所となっています。明代の永楽4年(1406年)に工事が始まり、14年をかけて永楽18年(1420年)に完成しました。明と清代の皇帝がここで、天を祀り豊作を祈ったということです。中国では、天を祀ることが皇帝にとって最も重要なこととされていたため、正月、冬至、夏至、皇帝の即位、出征の時などは、必ずここで儀式を行います。
天壇公園は、南北1.5km、東西1kmと総面積270万?を誇る公園で、主な見所である園丘壇、皇穹宇、祈年殿の3カ所を通り貫けるだけでも1時間かかるそうです。中でも、祈念殿が一番有名な建物で、中国を代表するシンボルの一つでもあります。祈年殿は、1860年に乾隆皇帝の再建により現在の姿になりました。3層の大理石の壇上に立つ円形の木造建築は、高さ38m、直径30mで、梁や釘を一本も使わない建築方法で作ったそうです。瑠璃瓦は青い空、内部中央の4本の柱は四季を象徴し、周囲に並ぶ12本の金柱は12ヶ月を、その外の12本は12時間をそれぞれ表しています。
天壇公園は、中国の広大さを感じさせながらも、いまや市民の憩いの場所として親しまれています。
入園料:
祈念殿・皇穹宇・圓丘を除くエリアのみの場合:4月1日ー10月31日15元、 11月1日ー3月31日10元
祈念殿・皇穹宇・圓丘:4月1日ー10月31日35元、 11月1日ー3月31日30元
開園時間:8:00ー17:00
(編集:ミン亦氷)
|