「863」計画と命名された科学プロジェクトが中国のあるのをご存知でしょうか。この科学プロジェクトは、この20年余り、中国の科学技術のレベルと能力の向上を促し、世界先進諸国との格差を縮小させました。今日はこの863計画について話します。
1980年代、情報やバイオ技術などハイテク技術を中心とする新たな技術革命の波は世界で高まりを引き起こしました。ハイテク産業は各国間の競争の主要手段となりました。
1986年から、中国政府はハイテク技術開発計画、つまり863計画を実施し始めました。この計画に基づいて、バイオや宇宙航空、通信、レーザ、オートメーション、エネルギー、新素材及び海洋技術など8つの分野に開発に重点を置きました。これについて、徐冠華中国科学技術相は「863計画が実施されて20年あまり、多くの鍵となる技術を開発し、国内外で、8000件余りの特許を獲得したほか、1800項目の国家と業界の基準を制定した。20年来、中国は累計して、863計画に330億元の資金を投入し、計画に従事する関係者は15万人を超えた。この計画は中国の創造能力や国家の総合的実力の向上及び民族の確信を高めるために重要な役割を果たした」と語りました。
863計画は中国の大規模な科学プロジェクトの一つです。この計画は一連の重要な技術を開発し、企業と密接な協力の下で、バイオ製薬や情報技術、新素材などの国際ハイテク技術分野で、大量の知的所有権を持つ製品を開発しました。曙光スパーコンピューターは中国が情報技術分野で収めた大きな成果の一つです。これについて、孫凝暉設計士は「1990年代、863計画の実施によって、『曙光一号』スーパーコンピューターが開発されました。それから、数年ごとに、中国のスーパーコンピューターの開発は一つの段階を上がり、その計算速度は一秒あたり25億回から1000億回、また4000億回まで、さらに現在、10万億回となった。世界では、アメリカや日本、中国の3つの国しか、このような高性能のコンピューターを製造し、運用することは出来ない。我々は2008年に百万億回のスーパーコンピューターを開発し、関連技術の発展を促していく決意だ」と話しました。このほか、中国が独自で開発したスーパーコンピューターは863計画のその他の情報プロジェクトに利用されている、と述べました。
また、バイオ技術は863計画の実施によって大きな成果を上げました。863計画が実施されてから、中国は、農業とバイオ医薬を突破口として、植物の優良品種、新しい薬物、ワクチン、遺伝子治療、蛋白質の開発に重点を置きました。
20年余りで、バイオ技術は大きく発展し、新しいバイオ技術産業が初歩的に形成されました。現在、バイオ技術産業の年間生産額は3600億元に達しました。
さらに863計画の実施によって、中国の科学者は人類の遺伝子研究の国際協力に参加しました。もし、誰だっても遺伝子の測定が出来れば、赤ちゃんの時から今後どんな疾病にかかるか可能性が分かり、効果的に予防することが出来るようになります。中国の一般の人々も遺伝子の測定による病気の予防が出来るようになるのはこの研究の目的だと言えます。
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