これまでは、眠れないのは精神的な要因によると考えられ、一般的には、睡眠薬等を服用することで、これに対処してきました。
しかし、例えば学生が日常的に睡眠薬を服用すると、副作用で大脳の正常な発育が妨げられ、記憶力減退などが起きる可能性があります。
仕事や勉強の際、適度に休息をとる習慣が大切ですが、それとともに飲食を通じても睡眠を改善できるといわれます。
現代医学では、夜間の眠気が食物の蛋白質中のトリプトファンの含有量と関係があることが解明されています。トリプトファンは大脳神経細胞から5?HTというセロトニンの分泌を促進します。この5?HTの働きにより、大脳の活動が一時的な抑制を受け、「眠たい」という感覚を発生させます。多くの食物の中で、トリプトファンの含有量が特に多いのは粟(アワ)です。粟に含まれる蛋白質には抗セロトニンのカゼインが含まれません。同時に、でんぷんが豊かに含まれており、インシュリンの分泌を促進し、脳内に入るトリプトファンの量を増やします。ですから、夜寝る前に、粟の"お粥"などを食べれば深い睡眠に効果があるようです。また、牛乳中のトリプトファンの含有量も高く、大脳の興奮状態を抑制することができます。同時に、牛乳には乳糖や、人体に必要な20種余りのアミノ酸、亜オレイン酸、ガンマリノレン酸、及び種類豊富な鉱物質、ビタミンなどを含んでいます。これらの物質は脳細胞の緊張状態を緩和させるため、寝る前に牛乳1杯を飲むと、深い睡眠には非常に効果的です。
また、果物ではリンゴ、バナナ、ナシがアルカリ性食品で、抗"疲労"の作用を持っています。疲労により眠れないとき、これらの果物を食べれば、疲労を抑え、睡眠が促進されます。
このほか、酢の中には豊かな有機酸が含まれ、糖の代謝を進めます。同時に、筋肉中の疲労物質である乳酸とピルビン酸を分解させ、疲労を抑えることが出来ます。また、激しい運動や心労のため深い睡眠ができない場合、寝る前に、お湯に酢1スプーンの量を入れて飲むのが、効果的だそうです。
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