現在、中国では、化粧品に有害物質が含まれているということが世論の中心となっています。今年9月、高級化粧品ブランド・「SKーII」の一部の商品から、クロムやネオジムなど、中国政府によって使用が禁止されている重金属が検出されたことを受け、北京、上海、杭州などで返品を求める声が相次いでいます。
化粧品に含まれる重金属は、私たちの体にどんな影響があるのでしょうか。化粧品を使うとき、注意すべきところはなんでしょうか。
9月14日、中国国家品質監督検査検疫総局は、アメリカの家庭用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の化粧品ブランド・「SKーII」の12商品から、中国で使用が禁止されている重金属物質・クロムやネオジムなどが検出されたと発表しました。これらの重金属物質は、肌の色を白くするほか、張りや弾力を与える効果があるため、クリームやオイル、おしろいなどの化粧品と美容パックに使われますが、私たちの体に悪い影響があります。例えば、クロムは、皮膚炎や湿疹につながるし、ネオジムは、目や肌に強い刺激を与えます。
重金属物質が、私たちの体に与える悪影響について、北京化学工業大学生命科学技術学院の譚天偉院長は、こう語っています。
「重金属は、いったん体に入ると、新陳代謝によって取り除かれることはできません。体に多く蓄積することにより、内分泌が乱れることになります。」
また、これら重金属の入った化粧品を使えば、肌が赤くなり、かゆみもあり、肌が荒れるなど過敏症を起こす可能性があります。中国漢方医科学院の宋平医師によりますと、私たちの皮膚は、自らを修復する機能があるので、もし、過敏症が起こったら、化粧品の使用をすぐに止め、皮膚に過敏反応のある部分を水で洗った後、氷で冷やせば、ほとんど直るということです。
宋平医師は、また、化粧品の利用者が、「SKーII」事件を受け、すべての化粧品に恐怖感を持つようになったことに対して、自らの意見を語ってくれました。
「重金属物質が多く積もれば、体に悪いのですが、化粧品を毎日1、2グラム程度使うなら、重金属の蓄積による病気にかかる可能性は非常に低いです。だから、利用者は、体に常に気をつけていながら化粧品を使えば、大丈夫です。」
また、化粧品を使うなら、注意すべきところがあります。
まず、自分の肌に合った化粧品を選ぶことです。脂性(あぶらしょう)肌の方は、脂を取り除く化粧品を使うべきです。また、肌が乾燥しやすい方は、栄養素が入っている化粧品、敏感肌の方は、無香料、アルコールや防腐剤無添加、無着色の化粧品などを選ぶべきです。
また、気に入った化粧品が自分の肌に向いているかどうかを調べるため、少量の化粧品を腕の内側と首筋につけてテストしてみるほうがいいです。
そして、厚化粧は、肌を老化させてしまうので、避けたほうがいいです。
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