すぐれた卓球選手として、鄧亜萍さんは疑いようのない神話創造者です。身長わずか150数センチですが、これまでにオリンピックなどの世界大会で18個の金メダルを獲得。彼女のすばらしいプレーは、国際オリンピック委員会のサマランチ前会長の賞賛を浴び、前会長みずから彼女に金メダルを授与したほどです。
鄧さんは現在、北京オリンピック組織委員会市場開発部の競技種目専門家としてだけでなく、イギリスのケンブリッジ大学の博士課程を履修しています。
「毎朝、オリンピック組織委員会に出勤し、退勤後には博士課程の勉強に全力投球しなければなりません。Eメールで定期的に、指導教官あてに学習状況をレポートするだけでなく、時にはケンブリッジ大まで赴いて研究成果を提出し、その審査を受けなければなりません。ほんとうに忙しいんですよ」と彼女は言います。
選手時代には、チームの中でもっとも厳しいトレーニングをこなしました。毎日、一時間多く練習するために、鄧さんはしばしば食事時間に遅刻しました。そのため彼女の部屋にはいつもインスタント食品が準備されていました。今は、そうした奮闘精神を生活や勉強の中につぎこんでいます。修士論文を完成させるために、20日あまり部屋から一歩も出なかったことがあります。部屋の中で本を読み、資料を調べ、空腹を覚えるとパンと水を呑みこんだ。机にかじりついての勉強は頚椎を痛めましたが、英語の論文『纏足の女性からオリンピック金メダリストへ』をみごと完成させたのであります。
卓球の英才教育のために基礎学力の足りなかった学生が、影響力の大きい専門学術書を出版するまでになるとは、「まるでもう一つの奇跡だ!」と多くの人が認めている。「物事をやるのなら、きっと最高レベルをめざします。いくら忙しくても、目標は必ず実現させなければならない。私はずっと、そう思っているのです」
「人民中国」より
|