昔から中国とお茶は切っても切れない関係です。普通、どこでも気軽にお茶を飲むのが一般的ですが、最近は茶芸館で本格的な道具を使い、お茶をゆっくり楽しむ人や、お茶の稽古をする人が増えています。今回は北京初の茶芸館としてオープンしたお店を取材しました。
「五福茶芸館」の副総経理によりますと、五福茶芸館は1994年、北京初の茶芸館としてオープンしたそうです。当時は利用者も少なかったのですが、その後、お茶を飲んだり、稽古を楽しんだりする茶芸館は北京で急速に普及し、去年までに700店舗あまりがオープンしました。数字から見ても、北京では高い人気を集めたことが分かります。
この店はチェーン店で、北京で10ヶ所以上の店舗を持っています。この本店は300平米あまりの敷地に6つの個室があり、とても静かなところです。友人とのオシャベリや、商談にいい場所です。昼12時から深夜2時ごろまで営業しています。経営の方針がお茶一筋ですから、料理や娯楽などのサービスは一切やっていないし、純粋にお茶を楽しむところです。実際に本店へ取材に行きましたが、確かに静かで、いい息抜きの場所という感じでした。「ここは静かな場所だね。利用する人の多くはビジネスマンで、30代以上の人がほとんどだね。普段忙しい生活をしているので、暇なときにここでゆっくり友人と話しができる」とお客さんが話してくれました。
日本の「茶道」という言葉に対して、中国では、お茶の稽古を茶に芸術の芸と書いて「茶芸」といいます。昔、北京には「大碗茶」という大きな茶碗でお茶を飲むという大ざっぱな飲み方しかありませんでした。茶芸というものは南のほうから伝わってきたのです。心を静めることでは日本の茶道といっしょですね。この店の茶芸は台湾の【カンフー茶】から生まれたものです。主にウーロン茶を使います。
茶芸館では静かにお茶を楽しむほかに、最近は様々な試みをしているようです。で実際に茶芸館のインストラクターの先生にお茶教室について説明してもらいました。
いろいろな企業からの依頼で、お茶教室や講座をやっているそうです。茶芸の稽古をつけるほか、お茶の専門知識を説明したりします。お茶教室は初級クラスと専門の中・高級クラスの2種類があります。専門クラスの試験を通れば、国家職業資格が取得できるんですよ。教室は広く開放していますので、誰でも授業を受けることができます。なかには外国人駐在員や留学生もいますが、授業は主に中国語でやっています。
お客さんのところへ出向いて稽古をする「出張教室」もあります。事前に希望の茶葉の種類や人数など、電話で予約してもらいます。費用は、人数などによって違いますが、専門家2人が指導し、参加者20人規模のプーアル茶コースで、大体5000元ほどだということです。
先生の話では、ここ数年、国際交流関係のイベントも盛んに行われているそうです。去年は、中国文化省の指定で五福茶芸館は中国の茶芸館を代表してフランスで開催された茶文化の交流イベントに参加したそうです。中国の茶芸をフランスの人々に紹介しました。ドイツや日本、オーストラリアなどの国とも様々な交流を行っています。
「パリで行われたイベントのとき、中国語がぺらぺらで、茶芸にとても詳しいフランス人がいてビックリした。今まで西洋の人は中国茶について疎いと思っていたが、中にはわざわざ中国に来てお茶の稽古をする人もいて、お茶について中国人以上に理解が深い人もいるよ。自分ももっと頑張らないと・・・」と先生は語っていました。
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