中国国際放送局紹介 日本語部紹介
Home
中国で「最もポストの高い女性」
   2006-04-27 11:23:19    cri
 中国女性の社会的地位の向上を目指す婦女連合、中華全国婦女連合会の会長、顧秀蓮さん。中国の政治の最高機関、全国人民代表大会の常務副委員長でもあり、中国で「最もポストの高い女性」ともいえるでしょう。

 北京放送記者はこのほど、全国人民代表大会の応接室で顧秀蓮さんを取材しました。身体にぴったりした深い色の洋服に、ふわっと膨らんだ髪。清楚な感じながら、うちに秘める強さを感じさせる女性でした。

 20数年前に江蘇省の省長から、化学工業大臣を務め、その後、現職の全人代常務副委員長の任についています。婦女連合会長の顧秀蓮さんのキャリアはとても豊かです。現在、顧秀蓮さんは、中国女性と児童の地位向上に身を捧げています。

 「わが国は女性事業を非常に重視しています。まずは一連の法律や政策、組織・機構などの仕組みを作り上げることに力を入れ、男女平等や女性の発展を促進しています。」

 中国には、憲法をもとに女性の発展を目指す法律が定められています。「婦女権益保障法」です。この法律によって、全国90%以上の地方政府には女性と児童の権益を保護する部門が設けられ、具体的な計画が立てられています。中国の女性事業は、法整備の上で、発展途上国の中では最も進んでいる方であり、先進国に比べても引けをとりません。

 顧秀蓮さんが常務副委員長を務める全国人民代表大会では、女性と児童を保護する法律整備について、よく論議の的となります。そのために、顧秀蓮さんは何度も、現場に足を運び、事情を調べに行きます。これについて、同じく全人代の人民代表で、顧さんを良く知る莫文秀さんは「法律を整備することによって、女性の権益を保護する面で、顧秀蓮さんの考え方はとても進んでいて、非常に長い目を持っているという印象です。『婦女権益保障法』の修正に当たり、顧さんは2002年から、現場に自ら足を運んで、この法律の実施状況や、女性の権益保障について調べて、修正の原則と構想を作り上げました」

 今日、中国では、就職者のうち、女性は40%以上を占めています。ですから、就労の面でほぼ男女平等といえます。ただ、農村部では依然として「男尊女卑」の考えが一般的で、教育面、生活面などで女性の権利が侵されることも多く、例えば貧しい家庭の女の子が学校に通うことができないとか、西部地区の水不足の地域で女性や子供の生活条件が脅かされているとかいうような事例が見受けられます。顧秀蓮さんはそれをほうっておくわけにはいかないといいます。

 顧秀蓮さんを良く知る人は、顧さんのことを「他人の世話になりたがらない人」と言います。しかし、ただ一度だけ、顧さんが他人に世話になったことがあります。それは「母なる水の穴蔵」プロジェクトのために資金を集めるときです。

 「母なる水の穴蔵」プロジェクトは2000年にスタートし、西部の水不足の地区の農家のために水を蓄える貯水穴を設ける事業です。こうした地域では、男性が出稼ぎに行ってしまうため、残った女性や子供たちは、衛生条件の悪い中で暮らしています。こうした人々のために何かできないかと、貯水穴を掘るプロジェクトを展開したというわけです。貯水穴があることで、毎日遠くまで水汲みに行く必要がなくなり、衛生条件もいくらか改善されたということです。

 このプロジェクトの資金は募金により集められました。当時、北京で化学工業博覧会が開かれ、元化学工業相の顧秀蓮さんも会場に招かれました。そこで、多くの化学企業の責任者を前に顧さんは「資金をお願いに来ました。西部の水不足地区で貯水穴を掘りたいのです。みなさんぜひ資金を出してください」と言いました。顧さんの熱意に動かされ、多くの企業の責任者が資金を提供したといいます。

 「母なる水の穴蔵」プロジェクト、そして農村部の女性に医療を受けさせ、薬を送る「母親の健康のため」プロジェクト、さらに貧しい女の子を学校に通わせる「つぼみ計画」、若い女性を対象とした技能養成など。これらは、顧秀蓮さんが全国婦女連合会の会長に就任してから進めてきた、女性の権益を保障する事業です。

 これについて、全国婦女連合会事務局の王乃坤事務長はこんな話を教えてくれました。あるとき、西南部の貴州省で「母なる水の穴蔵」プロジェクトの実施状況を調査したときです。目の不自由な地元のお年寄りが、顧秀蓮さんの手を取って、「目が見えないから、手を触らせてください」と言って、ひざまずいて感謝したということです。

 「一番深く印象に残ったのは、顧さんと一緒に貴州省のある村を訪れた時のことです。帰りぎわ、村の人々は遠くまで見送ってくださいました。早く帰ってもらおうと、顧さんは大きな石の上に上って、『みなさん、早く帰ってください』と大声でお願いしてようやく、村人は家路に着きました。」

 顧秀蓮さんは、女性事業の発展で外国との政府機構や民間機構との協力をも大事にしています。カナダや、オーストラリア、アメリカなど10数の国々と1000以上の協力プロジェクトを行なっていて、女性のための貧困扶助、教育、就労、権益保護などの事業を促しています。

 全国の女性のために忙しい毎日を送っている顧さんは、家庭ではやさしいパートナーに恵まれています。夫は数学者で、自らの仕事に没頭するかたわら、顧さんの仕事を長い間応援してきました。

 「夫は私より料理が美味しいです。いつもいいシェフだねと褒めています。ですから、私はあまり料理を作らなくても済んだんですよ。私が仕事に熱中できたのも夫のおかげです」

 何か困ったことがあるとき、私たち中国人は「媽呀(マーヤー)」と声を上げます。日本語で「まいったなー」というのと同じです日本語に直訳すれば、「お母さん」という意味です。困ったときに、お父さんではなく、「お母さん」と呼ぶ のは、それだけ母親が大切だということではないでしょうか。

 顧さんは、すべての女性が、自らの才能を大切にして、それを生かしてほしい、そしてそれを生かせる社会を作っていきたい、と力強く語ってくださいました。

人生十色
v 田舎に老後を送る 2006-04-20 13:06:38
v 李家が社会保障を語る 2006-04-13 14:04:43
v 中国都市部女性とブランド品 2006-04-03 15:05:53
  • 今日のトップニュース
  • 今日の国内ニュース
  • 今日の国際ニュース

  • • 基礎中国語
     皆さんは、ここで中国語と日本語に耳を傾け、フラッシュによる動画を楽しみながら、中国の風習や伝統文化を思う存分味わうことができます……

    • 「北京ワクワク」の購入について
     中国語講座「北京ワクワク」(上巻と下巻)のテキストは、日本の皆さんが初めて中国語会話を学習するための入門編です……
    |  link  |  E-メール  |