中国の温家宝首相はその政府活動報告で、科学技術の革新のもつ重要性を強調しました。"第十一次五カ年計画"では、企業を主体とし、市場の動向に基づき、産・学・研共同の新しい技術革新メカニズムを確立し、自主的革新の基本システムの枠組み構築の強化が強調されています。では、科学技術革新は企業にとってどんな意味を持っていつのか?企業は革新過程でいかなる問題に直面しているのか?これら問題の回答を見出すため、今回全人代に出席した数人の企業代表を取材しました。
|
小天鵝グループの柴新建社長 |
全人代代表である江蘇小天鵝グループ(電気製品製造企業)の柴新建社長は「革新は企業にとって、生存していく手段であり、企業の持続的発展を求める基盤と競争における武器である。絶えず革新してこそ、企業は発展していくことができる」と話してくれました。
また、柴新建社長は「企業にとって積極的に革新を進めることが必要である。中国のWTO・世界貿易機構加盟し後、厳しかった税関障壁が廃止されたのとは言え、技術的な障壁が次々と出てきた。こういう環境の下で、企業が発展を図るには革新がなくてはならない」と強調しました。
ところで、企業は革新では主体であるものの、唯一のものではありません。いま、社会的分業が非常に細かく、産・学・研とそれぞれ分けられているので、企業は各業種としっかり協同しなければならなりません。この問題について、浙江娃哈哈グループ(ドリンク企業)の宗慶後会長は「産・学・研という分業的意識を高めるべきだ。ここでいう学とは技術革新における人材養成のことである。研とは技術研究や科学的発明のこと。そして産とは研究成果の生産力への移転のことだ。しかし、これまで、以上の産・学・研の三者は協調がうまく取れていなかった。これが、企業の革新が遅れる重要な原因の一つである。企業に対する新しい技術を市場が必要としているのに、企業はそれに応えられる研究開発部門と技術的人材がない。これは、いまの競争の社会にとって非常に恐ろしいことだ。したがって、この問題解決のために、企業と社会の各部門との協力が必要となってくる。例えば、大学と企業との協力を促進がそれである。大学の研究成果を企業の新製品に変えて、市場の需要に満たすことは目的であり、われわれは絶えずこのために努力している。この点では政府も大きな支持を与えてくれる。今後、産・学・研三者の更なる協調と協力は科学技術革新を必ず推進できると信じている」と話してくれました。
|