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北京放送のリスナー、神宮寺敬さん

2012-11-09 16:10:15     cri    

中日国交正常化40周年  今こそ民間からの発信を

 山梨県甲府市にお住まいの神宮寺敬さん(92歳)は1952年から北京放送のラジオを聞いています。日本の中国侵略戦争に通信兵として加わり、上海で敗戦を迎え1946年に帰国。

 新中国成立後、1966年に日本語月刊誌『人民中国』の招待で中国を訪問し、その後も半世紀以上中日の民間友好運動に携わってきました。

 特に、1980年代後半、CRI日本語部と地元のテレビ山梨(UTY)との交流提携のパイプを作り、現在も続く両局の交流の端緒を開いたばかりか、CRI日本語部からの研修生に自宅の一室を提供し、研修生たちを中国の「娘」「息子」として付き合い続けています。

 毎年秋、家族を連れて古き友人や「娘」「息子」たちとの再会を楽しみに北京を訪れることが、いまや神宮寺家の定例行事になっています。釣魚島問題で中日関係に波風が立つこの秋も、この訪問をいつも通りに実行しました。

 戦争体験世代で、戦後、早くから友好運動に参加し、民間から両国の国交正常化の気運を高めてきた神宮寺さんに、両国関係の現状、関係発展の向かうべき方向について話を聞きました。


























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  ■本年も変わらぬ北京の秋

 ――この秋も例年通り北京を訪れましたが、まわりの反応は?

 私たち家族は問題なかったんですが、友人の中には、「見合わせたほうがいいんじゃないの」と言う人がいました。しかし、こういう時だからこそ、中国に行って、実際に中国の人たちの気持ちを確かめたりするのが大切だと心から思って、皆で訪ねてきました。

 ――北京で例年と違うと感じたことは?

 私たちが付き合っている古い友人やCRI日本語部の娘や息子たちとは例年通り、楽しく語り合いました。また、ホテルでの扱いがおかしいとか、空港で必要以上の検査があるということも全然なく、北京の街は例年通りの様子で、本当に楽しく1週間過ごすことができました。

 ――実際に中国の人たちにどのようなことを聞きましたか?

 CRIでは、副局長の夏吉宣さんにお会いした際、「日本との関係は非常に大切で、こういう時にこそ民間の交流と友好が大事だ」と指摘され、感激しました。

また、局内においても日本語部の活躍が大切だと指摘され、その意味では、研修生を引き受けたテレビ山梨、その生活を引き受けた私たちの仕事が少しでも力になればということを感じて、今後も日本語部との友好を深めていきたいと考えています。

 ■原点に戻ろう 友好交流こそ最高の方法

 ――今回のご出発前に、地元紙「山梨日日新聞」は神宮寺さんを取材し、インタビュー記事を掲載したそうですが…

 「山梨日日新聞」は、県内に民間で長い間、中国と付き合っている人がいるということで私を取材しました。今後の日中関係の成り行きに地方新聞としても非常に関心をもっていることを実感しました。「帰ってきたら、ぜひ中国の人たちの声を聞かせてください」とまた取材に応じる約束もしました(笑)。

 ――ところで、早くから両国の民間友好運動に携わっている方として、両国関係の現状をどう受け止めていますか。

 両国は島の問題が出てから、国交正常化記念行事の中止や、互いの観光訪問の中止などの事態が起きていますが、まことに残念で仕方がありません。

 かつての田中首相、周恩来首相などが、「小異を捨てて大同につく」とか、「この問題は一応両者とも棚上げして、将来の人たちに解決をまかそうではないか」と合意しました。私は、これは非常に大胆な意見だと思います。そのような政治家たちが再び現れて、両国の国交正常化時の状態に戻すとか、あるいは資源の共同開発とかでお互いに譲り合って話し合いをすれば、解決できないことはないと思います。

 日中は一衣帯水の隣国であるということをしっかり認識しあい、国民の間の友情、友好の精神をもって交流すれば、政治が変わり、経済も変わります。これは長年の経験から分かることで、それ以外にはないし、それが最高の方法だと考えています。

 ――現状を打破するのに、何が大事だとお考えですか。

 なんとしても両方が領土問題を一応棚上げにするという度胸がないとだめだと思います。

 国民の皆さんに訴えて、両国の友情をあくまで暖めながら、この問題は解決していく以外はないし、必ず解決しなければならないと思います。うまくいかなくても、私の子どもの時代、40年経ってもよいから、ぜひ両国の友好を国交正常化や平和友好条約の時代に早く戻してもらいたいと思っています。

 ■戦争体験世代 真心をこめて話し合えば理解できる ――神宮寺さんがこれほど強く、深く中国とかかわりを持ち続けてきたことの根底にあるものは?

 一番は、私自身が中国との戦争に巻き込まれたことです。私は戦争をすることが天皇陛下のためであり、日本のためであると教えられたことを本当に信じて、戦争に参加してきました。しかし、それは本当は不正義な戦争で、侵略の戦争であったことを後から知りましたので、中国の国民に本当に申し訳ないと思っています。

 特に、毛沢東の本を読み、「こういう立派な人が中華人民共和国を作った」と感銘を受けました。今度、中国を訪ねてみると、中国の人たちは本当に日本との友好を願っているし、両国の国交正常化がアジアのため、世界平和のためになることが付き合っている間に分かりました。だから、なんとしても生涯をかけ、また、私の子どもの代までも含めて、日中友好のために尽くそうと今も考えています。

 ――神宮寺さんはこれまで自らの行動で「中日友好」を実践し、現在も続いていますが、「友好」に寄せる一番の思いは?

 それは、お互いが心を開いて信じあい、戦争というようなことを一切しないで、真心を持って話し合っていけば問題は必ず解決できるという信念です。

 とくに日本と中国の場合は、互いの友情さえを固めていけば、必ずお互いに理解しあえるということを今までの人生の中で感じております。

 ■党大会開催 中国の「科学的な発展」に期待を

 ――この8日から中国では、中国共産党第18回全国代表大会が開かれますが、今大会で注目している点は?

 私は中国との長い付き合いの中で、今の時代、13億以上の人たちをまとめていくには、共産党の力が大事だと思っています。特に前の大会から、中国共産党が「科学的な発展」を打ち出すようになり、何か提案すると「異議なし」で全員拍手でいくのではなく、それに科学的な根拠をもたせて、大衆の力を生かしながら政策を制定することになったのは非常に素晴らしいことだと思います。

 今度の大会でも、格差や汚職など外から見ていても分かるような問題をきっと克服して中国の経済が発展し、大衆の生活が楽になるような方針が打ち出されるだろうと期待しています。

 また、中国と世界との親善の問題にも関心を持っています。新政権の中で日中の問題をぜひ解決してほしいと期待しています。(聞き手:王小燕)


夏吉宣CRI副局長と会談後の記念撮影
(中央が神宮司敬さん、左に妻綾子さん、長女敬子さん、次女伸子さん。
右に夏副局長、東北アジアセンター銭宏江主任、日本語部傅穎部長)

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