中国戯劇学院の入り口は伝統的な木造の門で、真ん中から開けるようになっています。周りの町の雰囲気とぴったりです。実はこの周りは古い町並みになっていて、清の時代、王族が集まり住んでいました。今は文化財として北京政府の保護を受けています。北京市民の伝統的な暮らしが残っているため、外国の観光客を引き付けています。

　そして、大学の周辺には、伝統的な住まい・四合院を改造して造られた本屋さん、ブディック、レストラン、バーなど、おしゃれな店が数多くあります。

　また、ここから歩いて故宮や日本の銀座のような存在、王府井商店街にも行けるので便利です。ただし、道路が狭いので、学校の正門までのバスがなく、大通りから5分ぐらい歩く必要があります。

　キャンパスは、ほかの大学と比べてこぢんまりしており、メインキャンパスは4つのバスケット場を中心に、周りを行政ビル、新劇劇場、食堂、寮に囲まれています。

　行政ビルの1階から3階までの廊下には、両側が卒業生の写真が飾られています。白黒からカラー写真まで、50年代から今日までの、国内外で名が知られる監督、俳優、ライターなどがずらりと並んでいます。また、高い屋根で板敷きの床のオフィスからも、歴史が窺えます。

　新劇劇場では、週に1回は演劇公演が行われ、学生は無料で観賞することができます。

　寮の一部屋の定員は、国内の学生と留学生では違いますが、留学生の場合は、二人になっています。これは、一般寮と留学生寮の写真です。

　食堂には、北京料理の他、地方の特色料理もあります。これは四川料理の「麻辣燙」です。値段は割と安くて、おいしいと評判がいいです。たとえば、お昼ならおよそ6元で済ませられます。

　キャンパスの一角にある花園です。中心に大きな松の木が茂り、藤棚もあります。初夏になると、紫色の藤が咲き乱れ、教師や学生たちのお気に入りの場所になります。よくここに集まって、本を読んだり、勉強について話し合う姿がよく見かけられます。

　学校側は、勉学と芸術を尊重し、学生のために出来る限りの環境を提供しています。たとえば、新型のカメラを購入して、宿題のために無料で貸し出しています。他にスタジオ使用も自由です。また、新劇の監督フォーラムやシンポジウム開催などに積極的に取り組んでいます。このほか、学校の活性化にも力を入れています。歌の会、バレーボールやバスケットボール大会、学術報告会などさまざまです。

　学部のほかには、留学生のための中国語教室もあります。卒業したら、好きな学部に入ることができます。ここの中国語教育の特徴としては、舞台の俳優の養成プログラムが取り入れられています。たとえば早口言葉、伝統舞踊などがあります。さらに、中国文化を少しでも多く理解してもらおうと、京劇の隈取り、太極拳などの内容が盛り込まれています。

　中国戯劇学院。中国の伝統的な雰囲気を感じながら勉強できる大学と言えるでしょう。