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フォークの旗手〜蔡琴

2014-05-02 12:49:15     cri    

 蔡琴は台湾が誇るフォーク歌手で、ラブソングの女王と言われます。1979年のデビューから30年、人々に親しまれ、音楽界の"常緑樹"とも呼ばれています。今回の中国メロディーは蔡琴の歌をご紹介します。

キャンパスフォーク時代

 蔡琴は1957年中国台湾省高雄市に生まれ、1979年にフォーク歌手としてデビュー。「恰似你的温柔(あなたの優しさのように)」という唄を歌い、ヒットしました。最初は、飾らぬ清楚の若い学生歌手というイメージでしたが、しっとりとした歌声はとても魅力的で、魔法のメゾソプラノと称えられる所以です。

 

 在学中の1979年に初のアルバム「出塞曲」をリリースしました。このアルバムはいずれも詩をもとにしたキャンパスフォークです。素朴な歌声の中に、自然のままの美しさが溢れ、まるで磨かれる前の粗玉(あらたま)のようだったと言われています。そして、その粗玉に磨きがかかり、1980年代の台湾キャンパスフォークブームを引っ張っていきました。

まさにベルベットのような

 1980年代、台湾の歌謡界ではテレサ・テンや鳳飛飛(フォン・フェイフェイ)など、甘く美しい声の女性歌手が人気を呼んでいました。そんな中、蔡琴のような素朴で低く沈んだ歌声が成功を収めたのは予想外のことです。フランスの音楽評論家は彼女の歌声をこう評しました。「ベルベットのような歌声は私たちを暖かい夢へと誘う」。

 やがて、彼女は黄金期を迎えます。音楽界だけでなく、テレビやラジオ番組のキャスター、ファッションデザイナーとして活躍します。

映画のヒロイン、そして恋

 1984年、26歳になった蔡琴は、映画「青梅竹马(幼なじみの恋人)」でヒロイン役を演じました。これは彼女にとって新たな人生の幕開けでもありました。メガホンをとった楊監督の才能と、お兄さんのような優しい心遣いに惹かれました。

 

 恋をした彼女は同じ年にアルバム、「此情可待」と「痴痴地等」をリリースし、恋をした女性の気持ちを表現しました。そして、翌年、彼女は楊徳昌監督と結ばれました。

番組の中でお送りした曲

1曲目 恰似你的温柔(あなたの優しさのように)

 この曲は蔡琴のデビュー曲で、別れの悲しさを歌っていますが、優雅さと哀しさを兼ね備えた歌声は、恋人にさよならと言えない、女の気持ちをきめ細かに描いています。

 歌詞

 さよならは言わないけど、

 過去のすべてを忘れてください

 簡単な事じゃないことは分かっています

 私たちは泣いてなんかいない

2曲目 出塞曲 

 この曲は蔡琴の曲の中でも最もパワフルな曲で、メゾソプラノ歌手の特徴を十分に生かしたものです。歌詞は台湾の蒙古族詩人、席慕栄の詩をモチーフにしたものです。見渡す限り大草原の、故郷を思う気持ちが歌われています。迫力ある歌詞と、蔡琴の深みある歌声がマッチした曲です。

3曲目 被遺忘的時光(忘れられた日々)

 1980年代に収録したこの曲は、2000年の大ヒット映画、『無間道(インファナル・アフェア)』の挿入歌に使われました。

 歌詞

 誰が窓をたたいているの

 誰が私の心を揺さぶるの

 忘れ去った日々

 あの日々が

 ゆっくりと心の奥に浮かんでくる

4曲目 不了情(つきせぬ想い)

 歌詞

 ああ あなたの あやまちも あの 涙も

 あなたのやさしさも 忘れられない 今でも

 はらはらと 散っていた あの花も

 頬を濡らした やわらかな 小雨も

 ゆらゆらと 揺れていた ブランコも

 かわした接吻(くちづけ) 忘れられない 今も

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