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冬の花といえば何を思いつきますか?梅、水仙、そして椿を挙げる人が多いようです。今回の中国メロディーは冬の花にテーマに、中国各地の冬の花にまつわる音楽を紹介しています。
気高いシンボル〜梅〜
梅は中国原産で、古くは弥生時代に日本に渡来したと言われています。ほかの樹木が葉をすっかり落とし、花枯れとなる厳しい冬の間でも、梅の花は、寒さに立ち向かうように美しく咲きます。そして、春が訪れ、百花繚乱の季節になると、梅の花は静かに散りゆきます。だからこそ、中国の文人たちは昔から、梅を気高いシンボルと喩えて賛美してきたのです。
甘くて芳しい〜蝋梅〜
蝋梅は中国原産の花で、真冬に満開の花を咲かせる数少ない花の一つです。名前の由来は、花弁の色が蜜蝋(みつろう)に似ているからとも、花の質感がろう細工のようだとも、また、その甘くて芳しい香りが梅に似ているから、とも言われています。古くから、可憐な花容を愛された花です。
毎年1月から2月にかけて花が開き始めます。冬の寒さをものともせず、黄色い可憐な花をつける様は、なんともいじらしく、その甘い香りに、やがて訪れる春への想いが膨らみます。
幸せを運んでくる〜水仙〜
毎年、旧正月の時期は水仙のシーズンです。寒い冬に凛と咲く水仙は、中国では古くから、旧正月に人気の花として人々から愛されています。寒い年の瀬、外は雪に覆われ、部屋にある水仙は、金色と白の淡い香りのする小さい花を咲かせています。その良い香りが幸せを運んでくると言われます。
水仙についてこんな伝説があります。古代中国の伝説上の女性・娥皇(がこう)は、妹の女英(じょえい)とともに君主・舜(しゅん)帝の妻となりました。娥皇は皇后とし、女英は王妃としました。みんなは2人の妃の聡明さと愛情を讃えました。舜帝が没すると、二人の妃は、共に川に身を投じ、川辺に佇む水仙の女神になったとされています。
自然の奇跡〜ツバキ〜
冬の花の中で最も美しいのはやはり、ツバキの花ですね。ツバキの花は香りがしませんが、その華やかな花は独特な美しさを持ち、葉っぱも丈夫でツヤツヤとした色っぽさがあります。特に、木々の色彩の乏しい冬に、艶やかな赤やピンク、白の花を咲かせて、人々の目を楽しませてくれる、その花は自然の奇跡です。
毎年、旧正月・春節の時期に、中国西南部の雲南省昆明や大理などで、ツバキの花が咲き誇ります。特に、この季節に大理を訪れると、公共の場所でも家庭の庭でも、色とりどりのツバキが見られます。小さな街は、あでやかで美しいツバキで飾られ、まるで美しい絵画のようです。
◎番組の中でお送りした曲◎
1曲目〜「梅雪争春(梅と雪が春を迎える)」
1930年代の有名な詩人・徐志摩氏の詩「梅雪争春(梅と雪が春を迎える)」を元に作られた同名の曲です。
【歌詞】
新年を迎えた元日、南方に大雪が降り
私は霊峰に梅の便りを訪ねた
散り落ちた梅の花びらが雪に埋もれ
色がなんと欠けていることかと
私は冗談言った
2曲目〜腊梅(蝋梅)
民謡歌手・楊姣さんが歌ったものです。大好きな人と会える日を心待ちにしている女の気持ちを表しました。
【歌詞】
あの年、蝋梅の香が庭を漂い
貴方が故郷を離れるのを目で見送った
一年が経ち、蝋梅の香が漂う
貴方はなぜ戻ってきてくれない
3曲目〜腊月水仙(旧暦の12月の水仙 )
この曲は娥皇(がこう)と女英(じょえい)の物語をアレンジしたものです。
4曲目〜山茶花(ツバキ)
1981年に上映された映画「楚天風雲(楚の風)」の挿入歌、テノール歌手・呉雁沢さんが歌ったものです。
【歌詞】
ツバキ、ツバキ
白いツバキの花よ
雪の中で凛と咲き
霞のようで美しい
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