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北京を襲った豪雨、問われる都市防災対策

2012-07-25 11:39:03     cri    

 先週の土曜日(7月21日)、気象観測データがある1951年以降、61年間で最大の豪雨という集中豪雨が北京を襲いました。北京市の発表によりますと、22日17時までに、大雨による死者は37人に上り、このうち、溺死した人が25人、家屋の倒壊による死者が6人、落雷による死者1人、感電死が5人となっています。大雨の災害で、災害に強い都市の防災体制の整備が問われています。

■北京を襲った61年間で最大の豪雨

 北京市気象台は21日、大雨警報の警戒度を、1日の間で5回、立て続けに引き上げ、警報は、昼の青から、夕方には上から2番目のオレンジ色になりました。オレンジ色の警報は、2005年、北京市気象台が天気警報制度を開始して以来、初めての発動だということです。

 大雨は昼過ぎから10時間あまり降り続け、21日夜には、市内63カ所の道路が冠水し、水深は、深いところでは大人の腰まで。、あるいは自動車が完全に水没するまでの深さになったところもありました。

 北部郊外の住宅団地の空き地には、10メートルの幅があるプールができたところもあり、その中を泳いで帰宅した人もいたということです。

 発表によりますと、10時間余りの降水量は、市の中心部で200ミリ以上に達しており、郊外の山間部などでは460ミリを記録した所もあります。200ミリを超える雨は、北京市では1951年に観測を始めて以来、最大だということです。

 北京市洪水対策指揮部によりますと、22日夜11時までに、北京では全部で3回の土砂崩れが置き、5万6933人を緊急避難させました。また、中心部の道路では水があふれ、数百台の車が水没するなどして動けなくなり、市の救援チームがボートを使って救出活動にあたりました。

 首都国際空港では525便以上のフライトが遅延または欠航となり、8万人が足止めされました。

 大雨の翌日、北京は台風一過のようなきれいな青空が広がり、市街地の交通はほぼ復旧しましたが、郊外を走る高速道路の冠水は一部、23日になっても復旧工事が続いていました。

■豪雨で露呈された都市防災の脆弱さ

 大雨により、メガシティとしての北京は、災害対策でその脆弱な一面が露呈しました。

――災害緊急警報の告知及び防災知識と意識の向上。

 北京市気象当局は1日のうちに、大雨警報を5回も発令し、そのレベルも最初の青から上から2番目のオレンジに引き上げました。

 しかし、多くの市民は、警報のランク分けがよく分からない上、警報の発表ルートが少ないと言っています。これを受け、インターネットユーザーからは、重大な災害警報が出された時、行政から市民の携帯電話にショートメッセージを送り、「外出をできるだけ減らそう」と注意を呼びかけたり、または、深刻な災害が起きる可能性がある、あるいはすでに起きた対象エリアに入った人に対して、警告をならすなどの提案をしています。

――緊急時の交通の確保。

 首都空港に大量に足止めされた旅客について、市内に帰る交通手段が確保できませんでした。空港と市内と結ぶ電車のレールが冠水し、電気のセンサーが水没したため、電車が運転停止になりました。一方、タクシーの数が足りず、シャトルバスも市内の一部道路の冠水で運行中止となりました。このようなことがいざ起きた時、日ごろの対策案が求められています。

――統括的な災害対策システムの構築。

 一方、首都空港に旅客が大量に足止めされていることがミニブログなどを通して知らされると、空港の比較的近くの団地に住んでいる市民たちがマイカーで旅客たちの送り迎えを始めました。しかし、雨で高速道路にも水がたまっているのに、高速道路の料金所は車を止めて、料金を徴収し続けていました。

 車が冠水した道路を走る時に、エンジンが停まるとニッチもさっちも行かなくなるので、運転手からは車を止めての料金徴収、あるいはそれにより待つ車両が行列するということは危ないことだという声が上がりました。

 また、水が引いた翌日、浸水で仕方なく路上で駐車した車に罰金の紙が貼られ、、市民たちの反感を引き起こすということもありました。

 さらに、大雨などの災害で帰宅難民になった人たちを臨時に収容できる公共避難場所の確保もあげられます。たとえば、近くの大型ホテルやデパートなどに、そうした役割を果たしてもらえるような緊急システムの整備が求められています。

――排水システムの整備と高度化。

 北京市の市街地区では大雨が降る度に、立体交差のアンダーパス(立体交差で、掘り下げ式になっている下の道路)が冠水し、通行ができなくなることが毎回のように起きています。

 当局によりますと、北京市には全部で78カ所のアンダーパスがありますが、その半分以上が1年に1度、1時間の降水量が30ミリ以下の大雨にしか対抗することができません。今回の大雨の前、北京市洪水旱魃対策弁公室は、これらのアンダーパスに対して、逐次の対策案を整えており、豪雨が降っても、水が滞りなく排出され、溜まらないように対策案は用意してあると発表していました。しかし、結果的に、今回もアンダーパスでの浸水が深刻な問題になりました。中には、アンダーパスで車が冠水し、水の圧力でドアが開かなくなって、そのまま車の中で溺れ死にした人も出ました。

■災害の深刻化、急ピッチに進む都市化も背景

 豪雨が降ると、北京市の市街地区で深刻な被害が出る背景には、急ピッチで拡大してきた都市化のことが上げられます。

 北京市洪水旱魃対策指揮部弁公室の王毅チーフエンジニアによりますと、北京市の市街地面積は2000年にはわずか700平方キロメートルほどでしたが、10年後の2010年になると、その倍にあたる1400平方キロメートルにまで拡大しました。現在、5年に1度の大雨に対応できる排水施設は、天安門広場とオリンピック公園付近のエリアに限られています。大部分の北京市の雨水排水施設は1~3年に1度、つまり、1時間あたり36ミリ~45ミリの豪雨にしか対応できない基準で整備されています。

 北京市排水集団の鄭江副総経理は、現在、北京の排水基準は1980年代に建設したもので、災害対応における基準が低いと話しています。

 今年5月、北京市計画委員会が新しい基準を発表し、雨水パイプラインのパイプの口径基準を大幅に拡大すると明らかにしました。最低ても、「3年に一度」の大雨に対応できるようにし、重要な道路では基準を「10年に1度の大雨」に引き上げるとしています。

 現在、北京市排水集団は新しい排出基準に従って、市内のアンダーパスのポンプステーションの改造を始めています。目標は、2015年までに、78カ所のアンダーパスが5年に1度の大雨、つまり1時間の降水量が70ミリの大雨に対応できるようにすることです。

 都市は複雑なシステムで、災害時にこそ都市管理者の知恵が試される時です。目下、中国の都市公共安全の緊急予報システムの整備はまだ不足しており、ばらばらに整備されている災害対策をひとつのまとまったものとして役割を発揮してもらえるのかが、大きな課題になると思われます。

 急ピッチに進む中国の都市づくりは、外観のみならず、実質的なクォリティの向上に力を入れるべき段階になっていると思います。(Yan)

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