会員登録

中国の航空業、高速道路と鉄道より経済効果大

2011-03-02 11:35:45     cri    

 中国では間もなく、日本の国会にあたる全人代・全国人民代表大会と政協・政治協商会議の年次総会が開かれますが、今年の会議は、これから5年間の経済、社会発展の目標を定めた12期目の5カ年計画、第12次5ヵ年計画の審議が重点となります。会議を前に、中国の民間航空の行政機関・中国民用航空局の李家祥局長は先週、記者会見し、これまでの5年間の航空輸送について語りました。

 去年、中国政府は、経済の成長モデルを転換し、経済構造を調整するという戦略的目標を打ち出しましたが、民用航空局の李局長は、その目標を実現する中で、航空業はますます大きな役割を果たしていると話しました。李局長の話です。

 「航空輸送の発展というのは、ただ人と貨物をより多く、より効率的に輸送するだけではなく、金融、観光、情報産業、そして物流などの牽引役になることもできます。つまり、経済全般に良い刺激を与えられるのです」

 李局長は、また、高速道路や高速鉄道と比べて、投資額が同じでも、経済的な効果でみれば、現地にもたらす利益などは、航空輸送のほうが大きいと述べました。

 「一つの空港をつくるのに必要な資金は、3キロの高速道路あるいは高速鉄道を整備するのとほぼ同じ額です。でも、1つの地域にとっては、3キロの道路または3キロの鉄道よりは、空港が果たす力の方が遥かに大きいのです。空港ができたら、世界とつながっていくことになりますから」

 さらに、李局長は、一つの地域あるいは都市にとっては、飛行場をつくることによって、外に開かれているという開放的な姿をアピールすることができると話しました。空港をつくれば、外資の導入を促すことができるということです。引き続き、李局長の話です。

 「たとえば、中国東部、江蘇省の淮安市には、去年、空港が建設されましたが、空港をつくることが決まってから、実際に建設される前の2009年から、外資系企業が空港の周辺に集まってきて、今では62社が進出しています。このように、地元の経済発展にとって、速く、明らかな効果があります。それからもう一つ、中国の南西部にある雲南省の騰沖(トンチョン)には2009年、空港ができましたが、それから2年たらずのうちに、合わせて24万人がここを出入りしました。人の移動が拡大されるにつれ、地元の観光業やビジネス、物流などが大きく発展しています」

 中国民用航空局の李家祥局長の話を聞いて、中国の航空業が発展していて、どんどん空港を整備することで地元の経済を促していることがわかります。ただし、ここ数年、高速鉄道の整備も速いスピードで進められ、時間的には飛行機とだんだん差が小さくなって、運賃も飛行機より安いから、高速鉄道の成長は航空輸送を脅かしている、という声が高まっています。

 ちなみに、今年の春節、旧正月のときに聞いた話ですが、高速鉄道が整備されるに伴って、従来のスピードの遅い列車が影響を受け、列車の運行数が減っているようです。これは、農村と都会を行き来する出稼ぎ労働者たちにはマイナスの影響を与えてしまい、つまり、今までのように、スピードが遅くても安い値段で乗れるし、自分の家のすぐ近くまで行ける列車に、だんだん乗れなくなったからです。

 そういうことも含めて考えると、もちろん、さきほどご紹介したように、飛行機、空港の整備も大事ですし、高速鉄道ができたことで、都会に住む人の生活が今までより便利になるのですが、小さな町、小さな村に住む人たちのために、普通の鉄道の整備もこれからどんどん進めなければなりません。それから、飛行機、高速列車、普通の列車という3者の共存も、これからうまく図っていく必要があるのではないかと思います。(鵬)

関連ニュース
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS