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GDP世界二位を冷静に受け止める、中国のネットユーザー

2011-02-23 15:50:47     cri    

 日本の内閣府が2月14日発表したところによりますと、2010年、日本の名目GDPはドル換算で5兆4742億ドルとなり、中国を4044億ドル下回りました。これにより、日本は42年間にわたって保ってきた、世界第2の経済大国の座を中国に譲ることになりました。この動きは中国のインターネットで熱い議論を呼びましたが、インターネットユーザーのおおむねは理性的にこれを受け止めていると、『中国青年報』が伝えています。

 Sinaサイトのユーザー"雲飘缈"(承徳市)は、「国が発展し続けていることを物語っているので、確かに喜ばしいことだ。しかし、中国の発展はまだまだ不足しており、引き続き努力が必要だ」と感想を述べています。

 環球網のユーザー「地球燕山」(北京市)は、「士気が鼓舞される動きだ。改革開放の偉大な成果の表れで、重要な意義がある。しかし、こうした成績にうぬぼれてはならず、その背後にある数多くの厳しい問題にも気づくべきだ」と冷静な対応を見せています。

 また、Sinaサイトのユーザー(沈陽市)は、「GDPの総規模は漠然としたものに過ぎず、勝負するなら一人当たりGDPですべきだ。今、中国の一人当たりGDPはまだ日本の10分の1にしか過ぎない。中国の実態は世界二位のGDPランキングとは程遠いものだ」と主張しています。

 一方、SOHUサイトのユーザー(北京市)は、「巨大なGDPは高価な不動産価格と高い物価によって支えられている。このようなGDPは人々を心配させる」と懸念を隠していません。

 Tencentのネットユーザー"晨星"(吉林市)は、「増えつつあるGDPの背後には、環境汚染、水土流出、資源の無駄遣いが見られる。果たして、このようなGDPは福か、災いか」と疑問を投げかけました。

 同じくTencentのユーザー「笑傲浆糊」は、「もしGDPとともに、ジニ係数も急騰し、貧富の格差が広がっていくならば、伸びないほうがまだ増しだ」とした見方を示しています。

 また、「これだけ巨大なGDPのうち、ハイテク産業の寄与度はどのぐらいなのか」という疑問も出されており、「世界市場において、日本の自動車、電子製品の名前はよく知られているが、中国は国際的に知られるブランドがとても少ない。人口ボーナスに頼って、科学技術の含有量のないGDPは世界一にランキングされていても、何も誇りに思えることはない」というSinaの書き込みも見られました。

 Sinaの携帯端末用サイトでの書き込みには、「貧富の格差が広がり、経済の構造が合理的ではなく、教育と社会保障などの社会インフラの整備が立ち遅れている。ここ数年、GDPの伸びが速ければ速いほど、これらの問題が深刻になっていると実感している。中国は、急速に伸びてはいるものの、次から次へと問題の絶えない超高層ビルのようで、伸びていく分の土は、土台の部分の土を掘って、高く積み重ねていったようなものだ。高度成長は良いこととは限らず、基盤をしっかり固めてこそ、初めてビルの倒壊を防止することができる」という論調も見られました。

 なお、一部の地方政府はすでにこれらの問題に気づいており、最近、上海、江蘇、浙江などは相次いで、GDP成長の目標の下方修正を発表しました。

 SOHUサイトの広東省のユーザーは「GDPがいくら大きくても、経済の成長スピードがいくら速くても、もしそれが人々の暮らしや幸福感と共に考えることができなければ、ただの冷たい数字に過ぎない。人々に恵みが行き渡るならば、GDPの伸びがもう少し遅れてもかまわない」と訴えています。(整理:Yan)

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