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海南、国際的リゾート地目指しながらバブル防止

2010-04-15 10:48:35     cri    

 海南は中国でただ1つの、熱帯にある省で、ハワイやインド洋の島国モルディブと同じ緯度にあります。海に囲まれている上、年中暖かいので、中国で人気のリゾート地とされています。

 今年初め、中国政府は海南省を国際的な観光の島に向けて建設を推し進めようという方針を発表しました。海南島では今、開発の新しいブームが巻き起ころうとしています。

 一方、投資家たちは政府の発表よりもいち早く、この動きをキャッチし、そのため、去年末から、不動産投資を目当てにした資金が大量に海南省に流れ込みました。不動産物件の取引も活発に行われており、一部のところでは、1日で5000元(約6万8000円)ほども上がったところが出てきたようです。業界では、これはバブルなのではないかと懸念の声もあります。

 実は、中国で最初の不動産バブルも20年ほど前の海南島で起きました。海南島は今は省になっていますが、昔は広東省の一部でした。1980年代後半、初めて省に昇格した時、経済特区に指定されたため、数多くの投機的な資金が流れてきました。その結果、不動産価格が急上昇し、バブルが発生しました。やがてバブルが崩壊して、それから10年あまり、海南の不動産業は落ち込んでいました。そして2007年ころから、ようやく少しずつ回復してきました。

 そのときの不動産バブルを防ぐために、地元当局は今年初め、商業的な土地開発や新たな不動産開発の審査を中止すると発表しました。市場の安定化と投資の理性化を期待しているようです。海南での不動産業ついて、海南省の姜斯憲副省長は「1990年代のようなバブルを繰り返すことはない」と見ています。

「去年、海南省での不動産業への投資額は278億元(約3800億円)で、全国の0.78%を占めている。この割合は、海南省の人口が全国の人口に占める割合と大体同じだ。また、土地の取引の規模と金額で見ると、いずれも全国の1%以下になっている。これらのデータは、海南の土地の取引が秩序よくコントロールされていることを示している。今のペースでいけば、年間、必要とされる建設用地は、海南省の陸地面積の1000分の1も超えないことになる」

 しばらくの間の調整を経て、海南では、この4月から、土地の開発や取引を再開しました。でも、不動産業に対しては、政策による指導的な役割がこれからも発揮されていくということです。中国住宅・都市農村建設省科学技術委員会の邹徳慈委員の話です。

「不動産は言うまでもなく、経済成長にとって大事な産業だが、だからといって、不動産業を海南省の基幹産業に位置づけるのもどうかと思う。何故なら、もし不動産業が中心になった場合、度を過ぎた投資、もしくは投機的な資金を招く恐れがあるからだ。それに対して管理が遅れたり、土地の供給がついていかなかったりしていけば、深刻な状況が起こる恐れがある」

 海南省は今、世界レベルの保養地を目指して経済開発を進めていますが、バケーションのために買う住宅、もしくは老後に備えて不動産を買っておくというケースが増えれば、買われた後もそのまま放置されている住宅が増える恐れが出てきているようです。それに対処するには、中古や賃貸住宅の取引を促すことが解決策の1つだと、中国不動産協会の朱中一副会長はこのように話しています。

 「海南省にマイホームを持っているものの、普段はあまり住まないという人が増えている。それらの人たちに、住まない間は観光客などに賃貸するよう勧めたい。自ら貸し出しをするのが不便なら、不動産会社に任せればよい。そうすれば、不動産オーナーと不動産会社の双方に利益が入るし、また、観光シーズンに大量に押しかけてくる観光客も苦労せずに宿泊先を見つけることができる。まさに、一石二鳥、いや、一石三鳥と言える」

 海南省の観光をめぐる動きで言いますと、今年は春節連休中、ホテル料金の急騰という問題がかなり話題になっていました。ホテル側はツアー客を見込んで、大手旅行社や個人の代理店と契約を結びましたが、今度は代理店側は来客を見込んで、どこまでも宿泊料金を引き上げていくという現象が起きました。こうした現象は毎年、起きていたようですが、今年はとりわけ破天荒な高値が出てきたため、春節連休中は、かえって、観光客の人数が減ったようです。もし、個人の使わない家がスムーズに貸し出しされるようになれば、観光客にとっては良いニュースのように思われます。

 ところで、今後の海南省について、国際的な保養地を目指しているため、不動産価格がこれからも上昇していくだろうと予測されています。こうした中、海南省は低所得層向けのマイホームの整備にも力を入れています。海南省の姜斯憲副省長の話です。

 「海南省政府にとって、低所得者向けの公営住宅を含む住宅の建設が今年の一番重要な仕事だ。年内に10万軒を建てる予定だが、完成すれば、都市部と農村部も含めて全世帯の8分の1が新しい家に住むことになる。人々の居住環境が大幅に改善されることが期待される」

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