国連食糧農業機関（FAO）はハイブリッド米の普及推進を、発展途上国の食糧不足問題の解決に向けた筆頭措置ととらえています。これまでに世界における栽培面積は累計約50億ムー（約3億3千ヘクタール）に上り、約5億トンの穀物増産を達成した。中国新聞網が伝えました。

　今月10日から12日の3日間、中国のハイブリッド米技術の対外協力について話し合う閣僚級フォーラムが開催されました。中国から参加した商務部の陳徳銘部長が述べたところによると、ここ数年来、FAOはハイブリッド米の栽培面積を世界で毎年約2.4億ムー（1600万ヘクタール）増やしており、毎年増産される穀物は約7千万人分の食糧になっています。

　1960年代、穀物生産量を増やすため、中国はハイブリッド米の研究に着手しました。その後10数年にわたる科学技術研究を経て、「ハイブリッド米の父」と称される袁隆平氏を初めとする中国ハイブリッド米の専門家たちが、1974年には3系統のハイブリッド米の開発に成功し、その後さらに2系統のハイブリッド米およびスーパーハイブリッド米の開発に成功しました。こうした成果を世界は、中国の四大発明に次ぐ「五大発明」の一つと賞賛し、「東方の魔法の米」とも呼んでいます。

　ハイブリッド米技術は早くから中国で普及、応用が進められてきた。過去約20年間に全国で約3千億キログラムの増産に成功し、中国は1980年代中期の人口増加に対応するとともに、自給自足を達成することができました。ここ数年は東南アジア、南アジア、南米、アフリカ、北米などの約40カ国・地域でハイブリッド米の導入や研究が行われるようになり、増産の効果がはっきりと現れるようになりました。

　発展途上国がハイブリッド米の栽培技術を掌握し応用するのを支援するため、中国政府はこれまでに約50カ国を対象に技術研修プログラムを約30回実施し、各国の政府関係者や技術者など約2千人が研修を受けました。フィリピン、リベリア、カメルーン、トーゴなどの国で、ハイブリッド米の栽培を手がける農業技術モデルセンターの建設を支援し、うちフィリピンでは連作を行い、現地の同種の稲田で栽培される水稲品種に比べて1ヘクタールあたり3トン以上の増産に成功しました。（人民網から）