国際通貨基金(IMF)が7日に発表した世界経済見通しに関する報告書で、2008年の金融危機が先進国と新興国の潜在成長率に及ぼす影響は今後数年も継続していくことから、潜在産出量の引き上げを優先課題にすべきだと提案しています。
IMFはその中で、「2008年の金融危機は先進国と新興国の潜在産出量を引き下げ、成長率の低下をもたらした。2008~2014年までの成長率はすでに1.3%にまで落ちこんでいる」としています。
また、2015~2020年まで、資本投入のスピードがリバウンドするにつれ、先進国の潜在成長率は1.6%まで持ち直すだろうと見込んでいる一方、危機以前の2001~2007年の平均値(2.5%)に比べれば、低い状況は依然続くという見方を示しています。
そして、新興国の2008~2014年までの平均潜在成長率は6.5%で、危機以前に比べて2ポイント低くなっています。IMFは、2015~2020年まで新興国の平均潜在成長率が5.2%にまで低下すると見ています。その主な原因には人口の高齢化、経済の転換期における構造調整が資本投入の成長スピードに与える影響や労働生産性の伸び率の鈍化などがあげられると見ています。
先進国にせよ、新興国にせよ、潜在成長率の低下は財政の持続可能性の一層の困難を招くことにも繋がります。それを踏まえて、先進国も新興国も潜在産出量の引き上げを優先課題にすべきだと報告書は提案しています。
なお、潜在成長率は、潜在産出量の成長率を指します。潜在産出量とは、インフレ及びデフレが伴わない状況下での一国の産出量レベルを指します。長期的には、潜在的産出量の増加スピードは資本と労働力の供給及び生産性の変化に関わるということです。(Yan、高橋敬) 暮らし・経済へ
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