高倉健さんが中国で有名になったのは、主演した『君よ憤怒の河を渉れ』が1978年に中国で公開されてからです。これは文化大革命が終わった後、初めて放映された外国映画です。正義と安心感が求められていた時代に、高倉健さんの硬派な男性像は特に多くの女性たちをとりこにしました。映画の主人公・杜丘のハンチング帽にサングラス、そしてトレンチコート姿。この格好を当時の中国の人々は競って真似し、高倉健さんは中国人にとっての最初の"外国人アイドル"となりました。
映画評論家の譚飛さんは、「高倉健さんが中国映画界へ与えた影響と言えば、映画の主人公を通じて自分の好みのタイプを探すことになったということだろう。それまで色白の王子様系が人気だったのが、高倉健さんの映画によって硬派に一転。多くの中国の女性が硬派の男性を理想的な結婚相手にした。高倉健さんは当時の世代の美意識に影響を及ぼしたと言えるだろう」としています。
教師の王琴さんは1962年生まれで、高校時代にクラスメートと一緒に映画館で『君よ憤怒の河を渉れ』を見たことを今でも覚えていると言います。「スクリーンで初めて高倉健さんを見た時、あまりの格好よさに衝撃が走った」とした上で、「学校の男子生徒は、冬に着る綿入れのコートの襟をわざと立てて高倉健さんの真似をしていた」と当時の思い出を語りました。(藍、高橋敬)旅行・文化へ
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