APEC各加盟メンバーは、貿易自由化の実現を追求してきました。この目標を実現するため、地域内にはすでに存在する貿易協定や交渉中のものが多くあり、例えば中国-東南アジア諸国連合(ASEAN)自由貿易地域やオーストラリア-韓国自由貿易協定、米国主導の環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉、ASEAN主導の東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉などがあります。
しかし、アジア太平洋地域の経済連携が密接になるにつれ、これら自由貿易圏構想の重複化と断片化を解決することは多くのAPEC加盟メンバーの関心事となっています。
中国の王毅外務相は先月29日に中国外務省で講演した際、APEC加盟メンバーとの協調と協力によって、北京でのAPEC期間中にアジア太平洋自由貿易圏のプロセスを開始し、地域一体化の水準を向上させる明確なシグナルを発信し、数年来の願いを行動に移すことで見解の一致を見たことを明らかにしました。
中国商務省国際局の張少剛局長は今回のAPEC会議で、アジア太平洋自由貿易圏の研究を実現するルートとして、情報の共有、ケーススタディやルート解析を挙げた上で、その研究を開放的な形式で行い、各加盟メンバーの政府高官が参加するほか、学者や企業の代表も招いたことを明らかにしました。
社会科学院世界経済と政治研究所の沈驥如研究員は、アジア太平洋地域における自由貿易圏は包容的で互恵共栄のものでなければならないとして、地域の範囲が広く構造も複雑であるため、始めるのは簡単だが、深化するには難しいとの考えを示しました。
これについて張局長は、APECの加盟メンバー全員に規則制定のプロセスに参加してもらい、より公平な貿易システムを築いていきたいとして、アジア太平洋自由貿易圏のキャパシティ・ビルディングを通じて、特に発展途上国・地域メンバーの交渉参加や規則制定などの能力を高め、自由貿易圏の利益の最大化を追求するとしました。(ヒガシ、林)
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