東京都の舛添要一知事が北京市の招きに応じて、24日から26日まで北京を訪問しています。これに対し中国と日本では訪問の意義を肯定し、地方同士の交流から両国関係の改善につなげてほしいと期待が高まっています。
21日付の中国の全国紙『世界新聞報』は論説を掲載し、「中日関係は釣魚島などの問題をめぐる紛争が長引く傾向にあり、短期間での緩和は望めない。そうしたことを背景に、両国国民の相互の嫌悪感がどんどん拡大している。そんな中で高いレベルでの接触をできるだけ多く重ねることは非常に大事だ」としています。
同紙はまた、舛添知事の北京訪問の公式日程には政治的議題が含まれていないが、中日両国の緊張によりハイレベル交流がほとんど行われていない状況での、都知事であり元国会議員として日本政界での影響力もある舛添氏の訪問は何かと政治的な色合いを帯びたものとして外部の目に映っているとしています。
その上で、「今回の訪問は、中日にとってたいへん得難い地方交流になる。このような地方ないし半民間の接触を続けてこそ、中日の民間関係を継続させていくことができる。これが両国国内で力となって初めて、政府が引き起こした二国間関係の悪化に歯止めをかけることができる。このような理性的、かつ、包容力のある声が強くなれば、中日が『冷戦』、ひいては『熱戦』に陥る可能性を小さくすることができる」と指摘しています。
このほか、香港のフェニックステレビも24日の報道番組で、「両国関係が行き詰まる中、北京市が舛添知事の訪問を要請したのは、中国が柔軟性をもって現状の打開策を模索していることの表れだ。領土問題という絶対に譲れない分野が一方にはあるが、経済貿易や文化交流、都市間交流などでは柔軟な姿勢を見せるようになってきている。北京にやってきた舛添知事は、日本政府の高官からのメッセージをいろいろ預かっていると思われる。また、北京で見聞きした情報も日本に持ち帰るだろう。これが一つの良いきっかけになって、両国の他の分野にも今後広がり、新しい動きが起きてくることに期待している」という論説委員の見方を伝えました。
東京都と北京市は1979年に姉妹都市提携を結びましたが、それぞれのトップ同士の訪問は、1996年の青島幸男氏の北京訪問以来18年間途絶えていました。
こうした現状に対して、北京に滞在中の横浜国立大学名誉教授の村田忠禧氏はCRIのインタビューに対して、「姉妹都市関係にある北京と東京がこれまで十数年間も交流がなかっただけに、今回の訪問はとても良いことだと思う。色々意見の違いがあっても、互いに交流する中でだんだんと相手を知り、共通認識を深めるのが大事だ。舛添知事の北京訪問に続けて、次は北京市長の東京訪問を期待している」と話していました。
なお、東京都知事の北京訪問について、中国外務省の秦剛報道官は24日の定例記者会見で、「中国は、中日の民間と地方同士の友好交流に一貫して前向きな姿勢であり、なおかつ支持している。日本各界の有識者は我々と一緒になって、両国関係の改善と発展に努力してほしい」と話しています。(Yan)国際・交流へ
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