今回の演習はカザフスタンが主催し、キルギス、タジキスタンが共催しました。そして中国、ロシア、ウズベキスタン3カ国は代表を派遣して見学し、このほかインド、イラン、パキスタン、トルコからの代表とカザフスタン駐在のアメリカ、フランス、イタリアの外交官も招かれました。
上海協力機構の対テロ合同演習の変化について、中国国防大学の王宝付教授は、「ここ数年の最も目立った変化は合同指揮であり、各国がそれぞれ軍事力を派遣し、連携して『3つの勢力』(国家分裂主義、テロリズム、過激主義)を打ち倒すため演習を行なってきた。このほか、現在の対テロの形式に沿って、人が蜜集する都市やビジネスセンターなど特定の状況の下で演習をしている。演習は実戦性がますます強化され、現実に接近してきており、協力のレベルも高まってきた」とみています。
3カ国共催について王教授は、「今回の演習は大規模なものではなく、中央アジア諸国を中心に行なわれた。現在、アフガニスタン情勢は重要な転換点に差し掛かっており、前途はまったく不明瞭だ。タリバンとNATO・北大西洋条約機構の軍隊との争いは大変激しくなっている。一方、アフガニスタン国内でのテロ活動も、最近急速に活発になってきた。中央アジア諸国はアフガニスタンからの影響が大きくなっており、それにより今回の演習を主催した」と説明しました。
上海協力機構枠組み内の合同演習は2002年10月にはじめて実施されました。以来およそ10年、場所や参加者は変わりましたが、テーマは一貫して変わっていません。つまり、共同で『3つの勢力』を打ち倒し、安全保障分野の新しい脅威に対応することです。
これについて軍事専門家の尹卓氏は、「上海協力機構は軍事同盟ではないが、その軍事演習は同様の特徴を持っている。つまり対象を『3つの勢力』に特定しておりこの点では明確だ。これは加盟国のほか、インドやパキスタンなどオブザーバー国の必要にもぴったり一致している。これらの国は、いずれも『3つの勢力』によって大きな危害を受けており、そうしたことから、上海協力機構は標的を『3つの勢力』にしている。同時に、合法的な政府がテロ組織など『3つの勢力』に脅かされた場合、加盟国は反テロで協力できる。これらの決定は『3つの勢力』への良い警告になっている」と強調しました。(朱丹陽 大野)
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