新しい任期を迎えた全国人民代表大会の第1回会議が3月の5日北京で開幕しました。
全人代は中国の最高権力機関ですが、今回会議では、国家機構の新しい指導者が選出されることになっています。温家宝首相は会議で行なった政府活動報告で、「改革開放は国の発展と進歩の根本的原動力である。さらなる政治的勇気と知恵をもって、改革開放をいっそう推し進めていく。」と強調しています。
そこで今日の中国リポートは、この政府活動報告についてのリポートをご紹介しましょう
「わが国の改革はすでに難関を突破すべき段階に差しかかっているため、思想をいっそう解放して経済・政治・文化・社会など諸分野の改革を全面的に推し進め、改革を間断なく深化させていかなければならない」
この政府活動報告は、過去5年間の活動の経験を踏まえ、今年の経済と社会発展の総体的な要求や目標、それにマクロ経済政策などについての案を提出しました。
会議では代表らがこうした提案を真剣に協議しており、会議に参加していない町の人々も政府に次のような期待を寄せています。
「食生活、娯楽と年金など、今の生活には一応満足している。しかしこれからはもっと余裕のある暮らしを目指したい」
「暮らしはどんどん豊かになっているが、私たちがマイホームを買えるようにするため政府にもっと良い政策を出してほしい」
以上のような人々の要望に応えて、政府は今後の改革拡大の重点を依然として民生の保障と改善に置くようにしています。
一方、過去5年、中国は国際金融危機を経験し、また四川大地震のような自然災害にも見舞われました。そんな中でもGDP・国内総生産が世界二位まで上りました。また、去年の世界経済が不景気にあっても、中国は経済の下降を防ぎ、今後の成長にしっかりした基盤を築いたのです。
このほか政府活動報告は、「経済と社会の発展の不均衡と不調和、それに持続不可能という問題が依然として際立っている」と指摘し、経済成長の減速傾向と生産能力の相対的過剰との矛盾が大きくなってきていること、それに経済発展と資源・環境との矛盾が日増しに激しくなっていることなど様々な課題の解決を主張しています。
また、今年度のGDPの成長率について、7.5%前後の目標を目指して積極的な財政政策と穏健な金融政策をこれからも実施することや、経済の持続的かつ健全な発展を実現することなどが強調されました。こうした目標を達成するには、内需の拡大や消費力の拡大、それに政府からの投資の割合を少なくし、民間からの資金を増加することなどが期待されています。
さらに、人々の生活のレベルアップを目指して、今年は民生の保障と改善に対する支出を増やすことが強調されました。
「医療保険制度を整備し、加入地ではない場所でも私たちが確実に利用できるようにしてほしい」「医療保険と年金を保障してほしい。、そして腐敗を徹底的になくすこと」
以上の人々の声に、政府がこれまで以上に耳を傾け、その解決に一層力を入れていくよう国民は望んでいるのです。
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