中国の中・東部は連日スモッグと霧に覆われており、市民を悩ませています。環境保護部門のデータによりますと、東北地方から西北地方まで、北部から中部または揚子江以南の地域にかけて、重篤な大気汚染の影響を受けています。中でも特に北京では、年明け以降4度も深刻な大気汚染が発生しました。これに対して北京市は、大気質を確実に改善するための『大気汚染改善条例』を年内に定める計画です。
まずは街中で、市民の話を聞きました。
「視界が悪い」
「霧が濃いな」
「少し臭い。気休めにマスクを二重にしているよ。」
これ以前に発生した三度の汚染に比べて、今回は北京市民たちも落ち着いて対応しており、「朦朧の美」という自虐的なキーワードがネットの新たな流行語になっています。
大規模な範囲で発生した濃霧は、各地の空気の質を悪化させています。28日、中央気象台は初めてスモッグに関する警報を出し、この状態が31日まで続くと予報しています。その後、寒気が南下および東に移動し、降水にともなって徐々に改善される見込みだということです。
今年に入ってから、中国の中・東部では、なぜこのような広い範囲で濃霧が発生しているのでしょうか?これについて、中央気象台の首席予報士・馬学款氏は、「秋の終わりと春の前半には霧が発生しやすいが、1月にこんなに頻繁に発生するのは、寒気が弱いためだ」と語り、「こうしたなだらかな天候では、霧が起こりやすい。霧が起こると汚染物質が拡散しにくくなり、これらが集まってスモッグとなる。」
視界の悪い状態は、交通にも影響を与えています。28日には北京にほど近い河北省の多くの高速道路が閉鎖され、省都のある石家庄市内の可視範囲は、200メートル未満、空港はさらに100メートル未満となり、多くの航空便が発着陸を遅らせる事態となりました。また、中国の中部に位置する河南省でも、多くの高速道路が閉鎖となり、鄭州の飛行場では372便が影響を受けました。
北京市は、「青い空、緑の地、綺麗な水の美しい都市づくり」を今年度の政府活動報告に明記しています。PM2.5の濃度を下げるための措置として、18万台の古い自動車を廃棄し、公共バスや清掃車、政府機関に、新エネルギー車の使用を奨励しています。また、「史上最も厳しく、細かい」とされる『北京市大気汚染改善条例』は現在、市民からの意見を集めており、年内に発表される見込みです。これには、深刻な大気汚染をもたらすなどの環境に影響する事件が発生した場合、汚染物質排出企業の生産を中止させ、一部の地区で自動車の交通規制を行うなどの措置が定められています。
これらの措置は、確かに大気の状態を改善するためにプラスとなりますが、専門家によりますと、現在のような深刻な汚染は、一時的な人為的行為で改善することは難しく、スモッグや霧の濃度を低下させ、拡散させる大風や雪、雨などの自然現象による効果が必要だということです。
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