2013年の元旦は、中国の新しい中央指導層にとって最初に迎えた新年となります。新年を前に習近平総書記をはじめ、李克強副首相などの指導者が、河北省などの貧困地域を視察し、貧しい家庭や出稼ぎ労働者の宿舎を訪問しました。新しい指導層に代わり1ヶ月半が経ちましたが、その間、指導者らは中国社会が抱える課題を乗り越える決意を何度も表明しています。人々は庶民に親しみ、実務的な執政方針を新しい指導層に期待しています。
太行山の山奥にある河北省の阜平県は中国で最も貧困な地域とされ、1人当りの平均年収は900元、日本円では1万円をわずかに超える程度です。村民の多くの家は土で作られた粗末なもので、ほとんど家具もないのが現状です。習近平総書記は中国の最も厳しい現実を自分の目で見たいという思いで、わざわざこの地域に足を運びました。
同じ時期、李克強副首相は江西省九江市の経済技術開発区を訪れました。ここで働く出稼ぎ労働者の宿舎を視察し、出稼ぎ2代目と呼ばれる若者たちの声に耳を傾けました。
「―やりたいことはあるが、国の政策の支援が必要。
―具体的にはどんな支援を望む?
―起業するには資金が必要だが、まずはそういったところからだと思う」
新しい年の到来に先立ち、貧困地域を視察するこの動きからは、「社会全体が豊かな暮しを手に入れなければならない」といった新政権の方針が読み取れます。シンガポールの日刊紙「聯合早報」の於海生評論員は「新しい指導者は中国の国情を深く認識していると言える」と見ています。於評論員の話です。
「視察の場所は貧しい地域ばかりだった。以前なら、国のイメージを損なう場所とされていた。実はこういった場所を見てこそ、初めて中国社会の全体の様子や貧困の状況、底辺の民衆の生活状況を把握し、中国の国情を深く理解できる」
新政権は、改革や腐敗取り締まり、庶民の生活改善など中国社会の成長にとって最も難しい課題を乗り越える決意をこれまで何度も表明しています。その決意と行動は人々に希望を与えています。
これについて、中央共産党の教育機関である党学校の辛鳴教授は「このような課題さえ解決すれば、中国社会は健全な成長の軌道に乗ることができる。そのための決意が大変重要である。またこれらの課題は、執政党である共産党自身が抱える課題や、党員や幹部の行いなどと密接に関係しているため、共産党自身の改革が迫られている。そのため、より高いレベルの自律と責任感が問われる。その実現には、制度的な保障が重要で、新しい形式主義に陥らないよう注意が必要である」。(閣、吉野)
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