今年は中日国交正常化40周年に当たります。これを契機に両国は交流を拡大し、戦略的互恵関係をいっそう発展させるはずでしたが、野田政権による釣魚島のいわゆる「国有化」という一連の誤った行動により、中日関係は一気に冷え込みました。さらに日本側の一部の保守派勢力は領土問題を利用して国民感情を煽り、両国間の各レベルの交流と往来は膠着状態に陥ってしまいました。そんな中、日本の一部の有識者は理性的な声を発しています。そして彼らの声は日本社会に受け入れられつつあります。このほど北京放送東京特派員は東京都日中友好協会の宇都宮徳一郎会長をインタビューしました。
去年6月に44歳の宇都宮徳一郎さんは東京都日中友好協会の会長に就任しました。宇都宮さんは中日友好の中で育ったともいえる人物です。祖父の宇都宮徳馬氏は日中友好協会の会長を務め、長らく日中関係の友好と平和発展に尽力してきました。祖父の遺志を継いで、徳一郎さんは東京都日中友好協会の会長に就任しました。日中友好事業の新なた発展に向けて取り組み、青少年の交流に力を入れている宇都宮会長ですが、最近の中日関係の現状を非常に憂慮しています。宇都宮会長は次のように語ってくれました。
「(今年は)本当はもっともっと盛り上げてほしかった。われわれ草の根の民間交流のグループとしては、ここまでお互いに努力して両国関係が発展し国民も幸せになっているため、これからはもっともっと頑張ろうと、機運を盛り上げるためのイベントや活動をこの1年間に一生懸命やっていこうと思っていた矢先だった。『本当に残念』という言葉以上に心配している」
中日関係が冷え込んだ理由について、宇都宮会長は「もちろん東京都の知事の行動で、東京都だけ先に民間交流事業が中止され、大変困った。大きな交流事業もキャンセルになってしまったり、中国からの訪日団が受け入れられなくなったりした。子どもたちが楽しみにしていた交流活動も出来ず、大変残念に思うし、また申し訳ない。なぜ国が購入するのか。その行動については大いに疑問を感じた。その判断は完全に間違っていると思う」と語りました。
宇都宮会長はさらに、「国交正常化40年来、日中関係は互いを分けることは難しく、特に双方の経済貿易は日本に大きな恩恵をもたらした」と述べ、「経済面だけでなく、政治面も外交面も北東アジアの安定を考えてみれば、日本と中国が協力し合うことは、両国のメリットにならないはずはない。ロシアも含め、いまの緊張関係から見れば、残念ながら日本の北東アジアにおける友好関係は非常に薄いと思う。この課題を避けて通ってはいけないだろう」と懸念を示しました。
当面の中日関係の現状をどのように改善すれば良いのかについて宇都宮会長は民間交流の重要性を述べた上、政治面の努力を強調しました。
「民間交流団体が危機感を持って、パイプを詰まらせないようにしっかりと努力していくことは、われわれの立場で出来る。もう一つはやはり政治がリーダーシップを持って、国内外のいろんな雑音に対して毅然と日中両国の友好関係を第一位に考え関係の再構築を決断していただくことが大事だと思う」
最後に、未来の中日関係について宇都宮会長は「様々な意味で、中国の素晴らしさは日本人に吸収されている。友人になることに条件なんか要らない。特に、同じ『漢字圏』の国だから、日本は大陸からの影響、特に中国からの影響を沢山受けている。そういう意味では、仲良くなれないわけはない。もう一つ、歴史問題や歴史教育の問題もある。なぜ日本が中国に対して侵略をしたのかということを日本人にもう少し勉強してほしい。お互いにこういうことがあっても、これから自分たちの世代、将来の世代がこのような問題を含めて反省したり理解し合って、もっとより良い関係を作っていく。このようなことは最もいい形の友好活動になるし、今後の課題にもなる」と語りました。(取材:王洋 訳:Lin) 国際・交流へ
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