宇宙飛行船「神舟9号」に搭乗していた景海鵬、劉旺、劉洋の3人の宇宙飛行士は、13日間にわたって宇宙を飛行し、29日、中国北部の内蒙古自治区に無事に着陸しました。これは、「天宮1号」と「神舟9号」の有人ドッキングが成功したことも意味しています。

　今回の宇宙飛行で、多くの中国初の記録が残されました。例えば、宇宙ステーション実験機と宇宙飛行船の手動ドッキングが初めて成功しました。これは、今後の宇宙ステーションの稼動にとって重要な参考となります。その次の中国初は、中国の女性宇宙飛行士が初めて宇宙飛行を行いました。これは社会的な意義と科学的な意義があり、世界でも大きな反響を呼びました。

　3番目の中国初は、宇宙飛行士は、「天宮1号」のドアを初めて開け、8ヵ月ほど稼動している「天宮1号」内部の機器、システム及びドッキングしたユニットの制御力を点検・監視しました。4番目の中国初は、宇宙飛行士が初めて宇宙を13日間飛行し、中国の有人宇宙飛行史上、飛行時間が最も長かったことです。宇宙飛行士は、宇宙での生活と仕事の経験を積み、医学実験を行い、宇宙飛行士の今後の長時間の宇宙滞在における基礎を打ち立てました。

　このほか、飛行士は、宇宙ステーション実験機で、中央制御センターと双方向の映像による通話を初めて行ったこと、また初めて中央制御センターからの電子メールを受信したこと、さらに初めて宇宙ステーション実験機に設置されたエアロバイクを体験したなどの中国初があります。

　今回の宇宙飛行では、手動ドッキングが一番重要です。24日に行われた手動ドッキング作業の中、宇宙飛行士の精密な操作により、かかった時間は、その前に行われた自動ドッキングより3分間縮まったということです。

　今回の宇宙飛行に女性宇宙飛行士が参加したのは意義が大きいことです。国外の関連研究によって、女性宇宙飛行士は、生理面と心理面で男性飛行士より優位性があることが分かりました。今回の宇宙飛行で、女性宇宙飛行士は生理面と心理面の変化を監視し、医学的データを記録し、今後の宇宙飛行士の宇宙長期滞在にかかわる情報を集めました。

　今回の有人宇宙飛行には、女性飛行士がいることも十分に配慮されています。科学技術者は、宇宙飛行船、宇宙服、椅子などを改良し、特製の女性生理用品も準備しました。また、女性のトイレの高さや角度なども改良したほか、女性宇宙飛行士に、チョコレート、デザートと血液補給食品なども用意しました。

　有人ドッキングを成功させ、宇宙飛行士の安全を守るため、専門家は、宇宙飛行士に328の故障パターンと解決方法、特に、手動ドッキングに当たって17の故障パターンと解決方法を載せたマニュアルを作りました。すべての細かい問題点にこだわっていたため、宇宙飛行士の安全が守られました。