アメリカを訪問している中国の習近平国家副主席は現地時間の14日の午後、ワシントンで中米両国の企業家との座談会に出席しました。習副主席は「中国とアメリカは、貿易摩擦に対し保護主義ではなく対話と協力をもって対応すべきだ」と指摘した上で、両国の企業家に対して、より大きい声で保護貿易主義に反対するよう呼びかけました。
ここ数年、中米間の指導者の相互訪問では、企業家との座談会がよく行われています。14日の座談会では、習近平副主席とアメリカのバイデン副大統領が、両国の企業家20人余りと意見をかわしました。習副主席は、両国の経済貿易について次のように述べました。
「午前中にオバマ大統領、バイデン副大統領とそれぞれ会談し、経済貿易について深く意見交換をした。そして、次の点について意見の一致を見た。中米両国の経済貿易関係は非常に補い合っており、強い活力を持っている。双方は、互恵に基づいたパートナーシップの構築を加速し、貿易や投資の一連の協力計画を進めるべきだ。同時に、保護主義ではなく対話や協力によって貿易摩擦に対応し、両国および世界の経済の安定した回復と成長を促していくべきだ」
昨年、中国とアメリカとの貿易額は前の年に比べ16%増え、史上最高の4467億ドルに達しました。この勢いで行けば、今後2年、3年のうちに5000億ドルを超える見通しです。しかし、経済貿易関係が密接になる一方で、両国間の貿易摩擦も増えてきています。とりわけ世界経済の成長が鈍化している今、どのようにして中米両国の貿易摩擦に対応するか、両国の政府と企業は共に考える必要があります。これについて、習副主席は、経済貿易問題の政治化を防ぐことを主張した上で、次のように述べました。
「中国とアメリカはエネルギーや環境保護、バイオ医薬、先端製造業、インフラ整備などの分野で協力の余地がある。両国の企業家が、協力の可能性を互恵共栄に基づいた成果に早くつなげるよう期待している。アメリカ企業が中国に投資することを歓迎する」
習副主席はさらに、両国の企業家に対して「事業を拡大すると同時に、現地の雇用の拡大や税収の増加、公益活動にも貢献し、両国の国民が経済協力からより多くの利益を受けられるよう努力してほしい」と述べました。
座談会では、アメリカのバイデン副大統領も発言し、このように語りました。「こんなにたくさんのビジネス界のエリートが座談会に来てくれたのは、少なくとも2つの理由があると思う。一つは、習近平副主席に来ていただいたことを光栄に思っていること。もう一つは、中米両国の経済関係が両国および世界にとっても非常に重要だと認識していることだ」
バイデン副大統領はさらに、両国の企業家が交流や協力を強化し、中国とアメリカの経済関係を絶えず推し進めていくよう期待すると述べました。(斉、吉野)
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |