7月23日の午後8時38分、北京から福州に向うD301列車が、東部浙江省の温州付近で、止まっていた杭州発福州行きのD3115列車に追突し、35人が死亡し、192人が負傷しました。
この高速列車の追突事件発生後、救助作業は即時に展開されました。胡錦涛国家主席と温家宝首相は、人命の救助を最優先して、救助作業に取組むと共に、事故原因を究明して、善処するよう求めました。
鉄道省は24日温州で記者会見を開き、王勇平報道官は 、「鉄道省は犠牲者に哀悼の意を表し、また、負傷者と犠牲者の家族に慰問の意を示し、事故に遭った旅客に謝罪する。現在、事故の具体的な原因を調査・分析している」と述べました。
王勇平報道官によりますと、事故に遭った列車のブッラクボックスは見つかり、いまは分析作業を行っているところで、状況がはっきりすれば公表するということです。王報道官はさらに「中国の高速鉄道は運行して間もないが、これまで多くの課題を抱えている」とした上で、今後、高速鉄道の安全管理を全面的に強化していく姿勢を表明しました。
また、鉄道省は24日、「7・23」鉄道事故を起した上海鉄道局の龍京局長をはじめ3人の高官を免職して、取調べを受けさせることにしました。
事故発生後、消防士や救援隊員、医療関係者、それに列車の乗客のほか、現場近くの住民、タクシーの運転手、外国人観光客なども救助作業に参加しました。温州滴水ボランティア組織の責任者周選慈さんは「事件発生後、救助に参加するだけでなく、負傷者を救うため多くの人が献血した」と語った後、「私たちの中には四川大地震や玉樹大地震の救助作業に参加した人が何人かいるので、負傷者をいち早く救い出しただけでなく、負傷者や家族の人を慰めたりすることもできた。この作業は後一週間は続くだろう」と話していました。
負傷者が運ばれた地元の病院では、医者や看護婦、それに関係者が懸命な治療に当たり、死亡者を極力減らすために努力しています。また、北京、上海、南京からも一流レベルの医者が24日、各病院に赴き、負傷者の手当てなどに当たっています。
このこか精神的にパニック状態にある負傷者を治療するため専門の係りが各病院へ向いました。温州医学院付属第2病院の医者戴王磊さんは、「今の問題は急性ストレス反応のため、患者には睡眠困難や不眠、または不安などといった症状がある。心理カウンセラーが一対一で患者の治療に当たる」と紹介しました。
25日、事故現場の整理が終わり、線路は運行できるようになり、一部の列車が運行を回復しました。
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