北京の代表的なアートフェアである「芸術北京」の「2011現代アート博覧会」が29日の夕方、北京農業展覧館で開幕しました。
リーマンショックで一時、落ち込んでいたアート市場の回復を背景に、今回のアートフェアには、東京・銀座からの画廊を含め、20近い国と地域から約100の出展機構が参加しています。中には、個人で出展したアーティストもいれば、民間経営の画廊や、北京駐在の各国大使館の出展ブースもあり、その形態は様々です。また、中国の名門ビジネススクール「長江商学院」卒業生の個人収蔵品コーナーも設けられており、アート投資に目覚めた国内の富裕層の影響力が注目されています。
北京の画廊「世紀翰墨」は、正式な開場の前にも関わらず、出展作品2点が海外のバイヤーの目にとまり、それぞれ30万元と40万元で取引が決まりました。また、80万元の作品にも複数から商談が入ったということです。経営者の林松さんは「最近の成約価格を見れば、アート市場はすでに金融危機前のピーク時に近づいてきている」との見方を示しました。また、バイヤーについて、主力はまだ海外の収集家が占めているが、中国の機関投資家および個人収集家の台頭も目覚しいものだと話しました。さらに、「集中した展示と宣伝、そしてアートに関する交流の場の提供により、海外に匹敵できる良いアートフェアに成長してほしい」と「芸術北京」に寄せる思いを語りました。
本部が銀座にある「東京画廊+BTAP」には、20代から80代のアーティストたちの作品が展示されています。「現役アーティストたちの元気のある絵を中国の人たちに見てもらいたい」と経営者の田畑幸人さんは語り、「東日本大震災の影響で、参加するかしないかで悩んでいたが、こういう時だからこそ、日本はやっぱり元気なのだと思ってもらいたい」と出展の理由を聞かせてくれました。また、「来場者が多くて、出展も充実しており、良いアートフェアだ」と感想を述べ、「商談がたくさんあった」と取引への好感触をほのめかしていました。
なお、今回の「芸術北京2011・現代アート博覧会」には、「Ullens現代アートコレクション」と題したテーマ展、映像特別展のほか、「アジアの有名デザイナーによる生活スタイル」と題したテーマ展「Fashion + Design Beijing」などが行われ、オークションや講演なども予定されています。会期はメーデー連休の最終日・2日までです。(王小燕、陳博、佟同) 旅行・文化へ
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