『浮生六記』は清代の文学家沈復氏の自伝ですが、長い間に最後の2巻が脱落し、行方が分からなくなっていました。2005年、山西省の古書収集者彭令さんは、南京で、清代の文人銭泳氏の雑記原稿『記事珠』を購入しました。その大量の文献や資料を調べた結果、その中の『冊封琉球国記略』と『琉球国演戯』など18ページ6200文字は、清代の使者が琉球国を訪問した途中での見聞記で、行方が分からなくなっていた清代の古典『浮生六記』の第五巻『海国記』だと確認されました。この事が香港の『文匯報』に報道されると、国内外の学術界に大きな反響を引き起こし、今年になって、人民文学出版社は『海国記』を収録した『浮生六記』を再出版しました。
中央文史研究館館員・清華大学中国古典文献研究センターの傅璇琮主任、国家文物鑑定委員会の傅熹年主任委員は、「『冊封琉球国記略』の原文は清代のもので、銭泳氏の手書きによるものだ」と見ています。また、『浮生六記』の研究専門家・台湾高雄師範大学経学研究所の蔡根祥教授は、「銭泳氏の文章は『浮生六記』の第5巻から写し取ったものだ」と見ています。
さらに、『冊封琉球国記略』に記録された琉球国の境界線から見ると、釣魚島の主権は昔から中国にあり、釣魚島は中国の領土であることの有力な証拠が増えたと見られています。
中国太平洋学会学術研究委員会の金燦栄主任は、「この文章は中国(清代)と琉球国の外交往来の一例であり、釣魚島問題における中国の交渉地位を高めると共に、中日の文化交流や、当時、中国が海外に対する認識の研究にプラスになる」と語りました。
中国太平洋学会は1984年に発足し、自然科学と社会科学を研究する総合的な学術団体です。(09/17 翻訳者:Lin チェッカー:大野)
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