いまから10年前、中国政府は西部大開発という重要な戦略的政策の実施を決定しました。これによって、西部地域は経済が立ち遅れていた状態を改めはじめ、その後の年間成長率は平均11.9％に達しました。こうして西部地域は急速な発展軌道に乗ったのです。つまりこの10年は、西部地域が最も速く発展し、都市と農村はもっとも大きな変化を遂げ、人々がもっとも多くの利益を得た10年となったのです。

　西部地域は土地が広く、人口が多く、資源も豊かです。しかし、歴史的原因から経済は立ち遅れていました。そこで地域を均衡的に発展させるため、1999年に、中国政府は西部大開発という重要な戦略的政策を打ち出しました。そして、計画と指導、政策的扶助、それに資金投入などを通じて、西部地域に対する支援を強化しています。

　これについて国家発展改革委員会の杜鷹副議長は「この10年来、政府は財政的に、またインフラ整備の予算の面で西部地域への傾き政策を実施し、その支出額　は合わせて4兆8900億元以上に達した」と話しました。

　新疆ウイグル自治区は中国の西北部にありますが、この戦略の実施に伴い、政府は新疆への支援を増やしてきました。この10年間のインフラ整備への投入額はあわせて1100億元以上に達し、2万5000件のプロジェクトが実施され、これは経済、教育、科学技術と衛生などの分野に及んでいます。

　昨年、新疆地方の生産総額は4300億元で、1999年の2.6倍となりましたが、これについて新疆ウイグル自治区政府のヌリ・バキリ主席は「10年来、新疆の総合的実力は最大限に強化された。特にGDP・国内総生産額では1000億元から2000億元に増やすには7年かかり、また2000億元から3000億元に、そして3000億元から4000億元に増やすため費やした時間はそれぞれわずか2年だった。これは西部大開発の成果を示し、この政策がまったく正しいことが立証された」と述べました。

　ところで、四川は西部地域では最大の省です。その経済総量、食糧総生産高、工業総生産額及び社会の消費財小売り額は、西部地域にある12の省と自治区全体の4分の1を占めています。西部大開発というチャンスに、四川は経済発展を制約してきた状態を改める重要プロジェクトを重点的に進めてきました。現在、道路の総距離は23万キロに達し、10年前より13万キロ伸びています、また、電力の総出力は3900万キロワットアワーに達し、10年前より2300万キロワットアワー増えました。

　四川省の魏宏副省長はこれについて「この10年は、四川が急速な発展を遂げた10年だった。政策の健全化とインフラの整備は四川の特色産業の急速な発展を推進してきた」と話したあと 、「四川のエネルギー、機械製造、観光、特色農業など強みをもつ産業はいずれも発展し効果を上げた。現在、工業の付加価値は10年前の4.4倍である5678億元に達し、観光業による収入額は10年前の5.6倍である1472億元に達した」と話してくれました。

　経済の急速な発展に伴い、人々の生活レベルも著しく向上しており、政府の計画によると、2015年の西部地域の経済総額は2008年の2倍になるということです。（翻訳：トウエンカ）