昨年、中国の経済は金融危機にもかかわらず、8%以上の伸びを達成しました。これについて、中国の中華全国商工業連合会の黄孟復会長は28日、「総額4兆元(日本円で約50兆円)に上る景気刺激策の役割が大きかった」と述べた上で、「今年、好調を維持できるかどうかは、政府だけでなく、民間の投資にもよる」という見方を示しました。
中国の民間企業は金融危機によって、海外からの需要が大幅に下がるなど、大きな影響を受けていますが、それら民間企業を支援するため、政府は一連の措置を打ち出しました。その措置について、中国国家発展改革委員会の穆虹副主任は「金融危機が発生した後、中国国務院はただちに対応して、民間の投資を拡大することを重点とした一連の対策を打ち出した。主に、民間企業に対する免税措置を強化し、金融サービスの改善などを行なってきた」と述べています。
民間企業の昨年の実績に関する政府のまとめによると、昨年1月から11月までに、中国の都市部の固定資産投資のうち、民間企業の投資額は3兆2000億元(約40兆円)で、前の年の同じ時期に比べ35%増加しました。また、年間の売り上げが500万元(約6500万円)を超える民間の工業企業の付加価値の伸び率は全国の平均レベルより8.5%高い18.8%に達しました。
さらに、中華全国商工業連合会の黄孟復会長によると、民間企業は中国都市部の新規雇用の90%以上を担っているということです。黄会長は、「中国ではここ数年、年間の新規雇用者数は1000万人を超えるが、その大部分が民間企業に採用されている。それらの民間企業は民生問題の改善だけでなく、社会の安定に対してもかけがえのない役割を果たしている。就職問題を解決するためには、民間企業、特に規模の小さい企業を支援することが基礎となる」と話しています。
このほど開かれた中央経済会議では、民間企業が市場に参入する際の制限を緩め、民間の投資を促し、民間企業および中小企業の活力と競争力を強めるという方針が打ち出されました。これについて、黄孟復会長は「政策の刺激によって今年、民間企業の発展は明るい見通しだ」と述べ、さらに「市場参入の制限を緩めれば、今まで主に製造業や伝統的なサービス業に向けられていた民間の投資が、より多くの業界に導入され、その産業の成長を促していく。したがって、製造業やサービス業はもちろん、エネルギーや輸送、通信、金融などの業界もスピードアップし、経済全般が進んでいく」と語っています。
しかし、黄孟復会長は「民間企業は中国の経済成長に原動力を与えている一方、エネルギーの消費量と汚染物質の排出量が多く、技術レベルが低いという問題がある」とも指摘しています。この問題に対処するため、政府は、民間の投資を省エネ産業に導き、その資金によって低炭素経済やグリーン経済、循環型経済を進めることにしています。これは、民間企業そのものの発展だけでなく、中国の経済構造の調整にも重要な一歩だと見られています。(鵬)
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