国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)がコペンハーゲンでまもなく開催されることを前に、中国は自らの排出削減目標を発表しました。2020年までのGDP単位あたりの二酸化炭素の排出量を2005年より40%~45%抑えるというものです。中国は二酸化炭素排出量に対し、明確な数値目標を決めたのは、今回が初めてです。中国が気候変動問題を重視していることを表し、大国としての責任を明確に打ち出しました。この目標は中国の基本的実情に基づいて制定されたものですが、実現のため努力が求められている約束事項でもあります。
ここ数十年の間、地球温暖化は日増しに顕著になり、その影響を受け、干ばつ、気温上昇、雪害などの極端な気候が頻繁に起きており、人類の生存条件に厳しい挑戦をつきつけています。『国連気候変動枠組み条約』及びそれを実現するための『京都議定書』は、国際社会が気候変動への対応として制定した最初の法文書です。今回のコペンハーゲン会議は『京都議定書』で定めた排出削減指標を土台に、2012年から2020年の温室効果ガスの排出削減案を議論し、拘束力のある国際協議の合意を目指すものです。そのため、コペンハーゲン会議は『京都議定書』の後続的行動としても位置づけられています。
気候変動問題の歴史性と複雑性に鑑み、『京都議定書』は「共通だが差異ある責任」という原則を決めました。具体的には、先進国は温室効果ガス排出の主な責任を担い、具体的な排出削減指標を制定します。一方、発展途上国は自由意志に基づいて、排出削減の義務を担い、強制的な排出削減指標を制定しないということです。
発展途上国の中国は、地球温暖化の緩和に大きな取り組みをしました。今回、中国政府は今後10年で、単位GDPあたりの二酸化炭素排出の大幅削減を約束しました。このことは、中国の国際社会の取り組みに積極的に参加していこうとする誠意の表れであり、国際社会からの肯定を得たことも物語っています。国連気候変動の報道官は、この発表を受け「士気が上がった」と話し、EU委員会は「中国は協議に対して率先的な役割を果たした」と評価し、国連気候変動枠組み条約のアイボ・デ・ブア事務局長は「中国の約束は全面協議の合意に向けての重要な障害を一掃した」と見ています。
中国は世界最大の発展途上国として、経済成長と民生の改善というたいへんな任務を背負っています。そのため、気候変動問題の対応において、中国はニューテクノロジーの導入でエネルギーの使用効率の向上をはかり、単位GDPあたりのエネルギー消費を引き下げていこうとしています。これは中国が自らの実情に基づいて定めた発展戦略でもあります。
事実、ここ30年来、中国は経済の高度成長を成し遂げたと同時に、単位あたりのエネルギー消費を絶えず引き下げてきました。中国は産業やエネルギー構造を調整して、立ち遅れた生産設備を淘汰し、再生可能エネルギーを発展して、力強い政策、措置を実施して、気候変動に積極的に対応してきました。統計によりますと、今年の上半期、中国の単位GDPあたりのエネルギー消費は2005年より13%下降し、再生可能エネルギーが第一次エネルギー消費総量に占める割合も2005年の7.5%から2008年の9%に引き上げられました。このほか、中国は現在、世界最大面積の人工林を有しています。深刻な金融危機を背景にしながらも、中国の気候変動対策への決心は揺るがないものとなっています。4兆元の経済刺激計画の中で、環境と生態整備に2100億元が直接充てられています。
気候変動は環境の問題であり、発展の問題でもあります。『気候変動枠組み条約』と『京都議定書』によりますと、先進国は発展途上国に資金、技術を提供して、発展途上国の経済発展と民生の改善を助けていく義務があります。にもかかわらず、一部の先進国は中国、ブラジル、インドなどの発展途上国に強制的排出削減指標の実行を求めています。こうしたやり方は「共通だが差異ある責任」の原則に背くもので、発展途上国として受け入れることができないことでもあります。(翻訳:Yan)
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