全人代・全国人民代表大会常務委員会は28日の会議で、国務院と全人代が提出した2009年の中央政府出資プロジェクトの中間報告を受け、政府投資の管理を強化する姿勢を示しました。
中央政府は、国際金融危機への対応策の一環として、総額4兆元(およそ53兆円)に及ぶ2年間投資計画を2008年末打ち出しました。2009年の投資総額は9080億元に達していますが、年末を前にこの巨額な資金の使用状況が社会各界から注目されています。
国家発展・改革委員会の張平主任は28日午後、全人代常務委員会の会議で2009年度中央政府が出資したプロジェクトの進捗状況を報告し、8月末までに投資総額の79%を占める7170億元が使われたと明らかにしました。
今年、中央政府が出資したプロジェクトで、低所得者用の安い賃貸住宅と安価なアパート、農家の生活を改善するインフラ整備、被災地での復興作業などへの資金が投資総額の50%を超えています。
張平主任は、中央政府による投資が経済成長の維持、経済構造の調整、改革の促進と国民生活の改善などにおいても大きな役割を果たしているとし、「中央政府が出資することで、景気回復を促すことができる。経済構造の調整や経済成長の転換を推し進められる。経済社会に現れてきた欠陥を見つけ、それを修正することができる。また、国民生活を保障し、改善することにもプラスとなる」とまとめました。
中央政府が出資した資金の運用状況は、今年、全人代が調べる重点項目となっています。全人代常務委員会は5月に、4つの査察チームを作り、中国の18の省、市、自治区に派遣し、低所得者用賃貸住宅とアパートの建設、教育施設と衛生施設、技術の改造と革新、農村部における灌漑用の水利工事という四つの分野にわけてそれぞれ現地調査を行ってきました。全人代財政経済委員会の石秀詩主任委員は、査察チームの代表として、現地調査でまとめた報告書を全人代常務委員会に提出しました。
石秀詩氏は、報告書で中央政府が出資したプロジェクトの進捗状況に満足していると評価したほか、「現地で調べた結果、査察チームは、一部の地方ではインフル施設の建設に問題が存在していることを見つけた。たとえば、工事の計画がずさんで、準備作業が十分でない。地方政府の資金が不足し、資金が回りにくい問題。別々の部署から政策が出され、内容が矛盾しており、お互いの意見の疎通も足りないという問題。政策の実行が徹底していない問題。職責がはっきりしておらず、体制が完備されていない問題。工事が少し遅れている問題など」と資金の管理に問題が存在していることを指摘しました。
これらの問題については、国家発展と改革委員会の張平主任も国務院に提出した報告書の中で認めています。張平主任は、「中央政府による投資の役割を果たし、民間資本を誘致し、投資構造を改善することに力を入れなればならない」とし、「中央政府は今後これらの問題を解決するため、次のことに取り組んでいきたい。中央政府が出資したプロジェクトを推し進め、関連資金を工面する。資金の管理に力を入れながら、中央政府の資金投入を通じて、民間資本を誘致する。投資規模の合理化を図りながら、資本構造を調整し、持続可能な投資管理体制を整備していく」と述べました。(翻訳:KH)
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