中国国務院がこのほど中国の立法機関である全人代常務委員会へ提出した報告では、汚染物質排出の削減を目指して、汚染対策を強化し、住民の健康を脅かす大気汚染の改善に力を入れ、経済社会の良好な発展を推し進めていくとしています。
全人代常務委員会第8回会議は24日北京で閉幕しました。会議開催期間中、全人代常務委員会は国務院が提出した大気汚染防止活動の進展情況に関する報告を審議しました。報告は、中国の大気汚染防止活動は大きな進展を収めたとしています。周生賢環境保護相の話です。
「各級政府と関係部門の力強い環境保護活動の推進によって、国民の環境保護意識はさらに高まり、大気汚染の防止活動は大きな進展を収めました。経済が急成長している状況でも、全国の大気環境の質はほぼ安定しており、一部の都市では好転しています。」
ここ数年、中国政府は環境整備を強化しています。産業構造の調整が拡大されると共に、クリーンエネルギーの利用と省エネが進み、汚染防止能力は拡大しつつあります。その結果、都市部の大気環境は着々と改善しています。現在、中国国内での主要な大気汚染物質の排出量は、効果的に抑制されています。2008年、GDP単位あたりの二酸化硫黄、煤塵、工業粉塵の排出量は、2000年と比べて、57%、76%、82.8%それぞれ削減したということです。
一方で、中国の環境保護活動は依然として大きな課題を抱えており、楽観視できません。周生賢環境保護相の話です。
「国民経済の持続的かつ急速な発展に伴って、エネルギー消費は絶えず上っています。先進国が百年かけて表面化した環境問題は、わが国ではここ二三十年の間に集中的に現れました。しかも、地域性と複合型の特徴があることから、深刻な大気汚染発生の恐れがあり、大気環境の情況は予断を許さないものです。」
中国が直面している主な環境問題として、石炭をメインとしたエネルギー構造による大気汚染物質排出量の断続的な増加や、都市部の深刻な大気環境、自動車の排気汚染などが挙げられます。今後、中国は汚染物質の排出削減を中心とし、大気の質の改善に努力していきます。
また、国務院が提出したこの報告に基づき、今後の環境保護活動においては、北京五輪成功の経験を参考にし、地域および都市部が大気汚染防止のための連携体制をとることになっています。環境保護省は専門家を組織し、大気流動や汚染物質の移動情況にしたがって重点大気汚染区域を区分します。これまで、珠江デルタ地帯、長江デルタ地帯と北京・天津・河北地区の三つの重点区域を指定しました。これについて、環境保護省の張力軍次官の話です。
「この三つの地域では大気汚染がひどく、とくにもやもやした天気が多いのが特徴です。重点地域の決定後、環境保護省はこの地域の汚染の実情に合わせて、対策を講じ、汚染防止を強化していきます。」
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