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1時間目 現代詩人・汪国真さんを偲ぶ、安徽省岳西県南河村で茶農家を尋ねる
担当:王小燕、高橋恵子
2008年5月12日の四川大地震から7年が過ぎました。最近のネパール大震災を含めて、この地球ではその後も様々な自然災害が起きています。大自然を前にした人間の弱さをつくづく感じます。
今週の番組の「旬な話題」では4月26日、59歳の若さで死去した現代詩人、汪国真さんとその代表作をご紹介します。汪国真さんは1990年代の中国で、一世を風靡した詩人で、その詩は習近平国家主席の演説に引用されたこともあります。今回の番組では、汪さんの代表作として知られる「熱愛生命」を、燕、恵子の仮翻訳で日本語で紹介します。
後半の「スペシャル・バスケット」では、王小燕アナが安徽省西部にある岳西県河図鎮南村河の茶農家を取材しました。岳西県は安徽省、河南省、湖北省の三省をまたぐ「大別山」の山間地帯にあり、「翠蘭」という銘柄の緑茶の産地です。
南村河は県庁所在地までは約40キロ離れた山奥にある村です。近くには今では、国家3Aランクの風景区が3つもあります。昔は主な産業は林業でしたが、20年ほど前から茶葉の栽培に切り替え、現在はお茶とともに、民宿の経営など観光産業も栄えています。
180世帯、茶園の面積は全部で2000ムー(約133ヘクタール)。ほとんどの農家が茶畑を有しています。村の書記・余方成さんは、その中の200ムーを請け負っており、年間1000キロのお茶を出荷していると言います。
南河村の茶摘シーズンは3月20日頃から5月初めまで。今はちょうどシーズンが終わりを迎える頃のようです。まだ内装工事が続いている余さんの新築の家にお邪魔しました。地下1階、地上は2階の余さんの家は、床面積1200平米もある広さ。地下は製茶工場、1階は自宅、2階は民宿となっています。
ところで、余さんの製茶工場には1ヶ月前に、地元の技術者が精魂を込めて研究開発した新しい製茶機が納入されたばかりです。取材に行ったとき、ちょうど、機械工場の経営者と技術者がお客様訪問にやってきました。山村の緑茶製造現場を覗かせていただきました。
そして、余さんの家で作ったお茶の味は?詳しくは番組をお聞きください。
2時間目 北京日本人学術交流会代表・山口直樹さんに聞く(下)~ゴジラ
先週に続いて、今週も山口直樹さんにお話を伺います。今週のキーワードは「ゴジラ」です。
1954年、日本のマグロ漁船、第五福竜丸の被曝事故を受けて、日本で制作された映画「ゴジラ」。この映画は去年、ハリウッド版2作目が制作され、中国でも公開され、人気になっています。
ところで、「『ゴジラ』と満鉄中央試験所、この2つは私の中ではつながっている」とおっしゃる山口さん。最近は「ゴジラ行脚」と言って、北京の大学で『ゴジラ』に関する講演会を無料で実施しています。かくも大きなエネルギーを「ゴジラ」に注いだ理由は何か?
あわせて、2008年に発足し、これまでに160回あまりの回を重ねてきた「北京日本人学術交流会」の活動についてもお話を伺いました。
ぜひお聞き逃しのないように。
(左)映画 「ゴジラ」 シリーズ第一作(1954年)に青年・尾形の役で主演した、俳優の宝田明さん (左) と、ゴジラのフィギュアを手にする山口直樹さん (2014年8月、東京で)(右)北京日本人学術交流会の会場の様子(写真提供:山口直樹さん)
【プロフィール】
山口 直樹(やまぐち なおき)さん
東北大学理学部物理学科卒業後、塾講師、新聞記者などをへて東北大学大学院で研究を行う。日本学術振興会特別研究員や大学非常勤講師を経て2003年、北京大学科学与社会研究中心に博士研究生として留学。専門は科学技術史(近代日本植民地科学史、近現代中国科学技術史)、科学技術社会論。2006年には、小、中、高校の先輩にあたる大島みち子の戦後日本におけるベストセラー『愛と死をみつめて』の中国語版コーディネートを行う。
最近の主な論考
『在中日本人108人のそれでも私たちが中国に住む理由』(2013年出版)の中で「語学留学にとどまらない研究留学の必要性-毛沢東からゴジラまで」、『日中関係は本当に最悪なのか』(2014年出版)の中で「サービス革命の現場-火鍋チェーン店の挑戦」など。
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