名花傾国両相歓 長得君王帯笑看
解釈春風無限恨 沈香亭北倚闌干
めいか けいこく ふたつながらあいよろこぶ とこしえに くんおうのわらいをおびてみるをえたり
名花 傾国 両ながら相い歓ぶ 長に 君王の笑いを帯びて看るを得たり
かいしゃくす しゅんぷうむげんのうらみ ちんこうていほく らんかんによる
解釈す 春風無限の恨らみ 沈香亭北 闌干に倚よる
<現代語訳>
名花牡丹と傾国の美女楊貴妃が互いにその美しさを歓びあっている。
その様子を玄宗皇帝は笑顔でずっと眺めている。こんな風に玄宗皇帝の寵愛を得て、 楊貴妃は春の尽きない愁いを解きほぐし、沈香亭の北の欄干に寄りかかり牡丹の花を楽しんでいる。
※ 「解釈」は日本語の意味とは違い、解きほぐす意味。
<コメント>
作品の中には「牡丹」や「楊貴妃」の名前は出てきませんが、この作品の作られた場所、時を考えれば自ずとわかります。「牡丹」「楊貴妃」と言った言葉を補っていくと詩の意味がより明確になってきます。この詩で李白は神話や故事などを動員して楊貴妃の美しさを褒め讃えます。其二で漢の時代の美女、「較べられるのは趙飛燕が化粧したばかりの美しい姿だけです」と褒めたつもりでしたが、楊貴妃がぽっちゃりとした美人だったこと、スリムな趙飛燕を引き合いに出したことが「当てつけではないか」、また、飛燕が国を誤らせたとも言われているので、楊貴妃も国を誤らせるのではないかと批判していると李白をよく思わない勢力から、李白を誹謗中傷する格好の材料になったといわれています。
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