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花の艶やかさとともに、香りの素晴らしさを詠った詩。
落尽残红始吐芳 佳名唤作百花王
竟夸天下无双艳 独占人间第一香
ざんこうを おとしつくして はじめてはなをはく かめい よびて ひゃくかのおうとなす
残紅を落とし尽くして 始めて 芳を吐く 佳名 喚びて百花の王と作す
きそいほこる てんかむそうのえん ひとりしむ じんかん だいいちのかおり
競い誇る 天下無双の艶 独り占む人間 第一の香り
<現代語訳>
もろもろの花が散り尽くすのを待って、燃え開く牡丹。その佳き名は百花の王。その艶やかさは天下無双、その香りはこの世で一番。
<作者>
皮日休。字だけをみるとなんだか、面白いですね。唐の時代の詩人で、現在の湖北省の人。進士に及第して、朝廷の歴史書の編集をつかさどる役人になります。黄巣の乱では、捕らえられ偽政府の学士となりますが、のちに殺されました。
<コメント>
詩の中で、百花の王といわれている牡丹ですが、富貴花という異名もあります。確かに、花びらを重ねて大きく開く姿は豪華で優雅です。中国原産のこの花は盛唐以降、李白や白居易など多くの詩人に歌われました。今でも中国の公園でよく見かけます。花の姿ばかりに気をとられていましたが、この詩をみて香りもいい花だということを再確認しました。
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