「龍郷」「民族の聖地」「心のふるさと」。黄陵県で見かけたのは、龍の描かれた黄色い旗とこのフレーズ。ここには、5000年以上前に黄河流域を統一して中華民族の基礎を固め、「中華民族の祖」とされる黄帝の陵墓である黄帝陵があります。
2015年の「清明公祭軒轅(けんえん)黄帝式典」が5日、陝西省黄陵県橋山の黄帝陵で開催されました。国内外から華人約1万人が軒轅(黄帝)を祭りました。
清明節の伝統
中国で4月5日は清明節にあたり、先祖の墓参りなどを行う習慣があります。この式典は、「中華民族の祖」とされる黄帝を祭る儀式です。中国で清明節を過ごすのは3回目ですが、今回初めてこの行事の伝統を本格的に味わうことができました。
74人からなる大規模な記者団
記者団が乗った4台のバスは、朝の6時に西安を出発しました。西安から165キロメートル離れた延安市黄陵県橋山に向かいます。記者は計74人、そのうち人民日報など中央メディアの記者が22人、私たち国際放送局が26人、陝西テレビ局が6人、アメリカ、オーストラリア、フランス、ロシアなど外国メディアが19人、香港、澳門メディア15人からなります。取材活動の規模の大きさが伺えますね。

記者団出発の朝
2時間半あまりで、黄陵県に到着。セキュリティを経て、太鼓や太極拳のパフォーマンスを見ながら、階段をまっすぐ上っていきます。

セキュリティチェック

階段を上っていく

太極拳のパフォーマンス
樹齢5000年の柏の木
黄帝陵景区には8.3万株あまりの柏の木があり、その中で樹齢が1000年を越えるものは3万株あまりあります。中国で最も保存状態が良く、面積が最大で最も古い柏の木の一帯です。それを守るため、黄帝陵景区内では喫煙が禁じられています。
黄帝陵はまた、1961年に国家重点文化財保護単位として指定され、「中華第一陵」と呼ばれています。

樹齢約5000年の柏の木
樹齢約5000年の柏の木、黄帝のいた頃に植えられたと伝えられている

景区内にて禁煙の表示
軒轅大殿の前には、56の民族団結を象徴する56の旗が飾られていました。儀式が始まる前に、衣装を着た出演者たちがスタンバイしていたので、話かけてみると、陝西師範大学の大学生とのこと。豪華な衣装を着て大人びて見えるけれど、話してみると素朴で、楽しそうに写真を撮り合ったりしていて純粋な姿が垣間見えました。舞台で踊る舞踊の予行演習をしている姿も。

龍の旗

腰掛け太鼓踊りの衣装を着た子供たち

予行演習中
数字に意味を込める
9時50分、いよいよ儀式が始まりました。9時50分に始まるのは「九五至尊(皇帝)」を意味し、黄帝への敬慕と感謝の意を表しているといいます。
儀式では、全員起立した後、34の省・自治区・直轄市・特別行政区・台湾地区を象徴する34回の太鼓がたたかれ、中華民族最高儀礼を象徴する9回の鐘がつかれました。その後、各界代表により16の花籠がささげられ、陝西省の省長が祭文を朗読しました。参拝者一同が黄帝に3回礼をして、終わりました。

太鼓

花籠をささげる

祭文朗読
楽舞と龍
その後、楽舞の告祭が行われます。「大楽必易、大礼必簡」の当代の祭祀美学に基づき、中華祭祀文化の伝承と革新、始祖への崇拝、中華民族の自強と自信を表しています。最後に、気球につるされた10メートルあまりの龍は、高く高く空へと昇って行き、儀式は終了しました。

楽舞の告祭

天に昇る龍
一年に一回の盛大な「お祭り」
儀式が終わってから、黄帝が祀られている所まで上がることができました。人が一気に押し寄せて、大渋滞。なんとか階段をのぼりきると、人々は参拝したり、記念撮影をしていました。おばあちゃんと中年の女性、親子らしき二人が写真を撮り合っていたので、話を聞いてみると、地元の人のようで「ここ何年も来ていなかったけど、久しぶりに来てみた。」と教えてくれました。

参拝の様子

記念撮影

花籠
周りを見渡すと、確かに地元の人が多そうです。今回舞踊を踊った地元の大学生の他に、同じく衣装を着ている白髪のおじいちゃん達もいました。これまでに何回参加したか聞いてみると、「30回参加したよ。」という返事が。ということは、30年ということでしょうか。他にも色々聞きたかったものの、おじいちゃんの方言が強く、数字を聞き取るのがやっとでした。

参加する前は、黄帝の式典ということで厳かな式を想像していました。確かに、式の最中はとても厳かで、式の途中でしゃべる人もなく、終始穏やかな音楽が流れていました。でも、現地の人にとってこの日は一年で最も盛大なお祭りのようです。式典が終わった帰り道、これまでの人生の中で見た、一番大きな人ごみが、この式典会場へと向かっているのが見えました。(林)

式典の後、黄帝陵へと向かう人々

| © China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |