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担当:高橋恵子、王小燕
昨日(7月7日)は日本による中国侵略戦争の本格的な始まりを意味する「盧溝橋事変」77周年でした。これにちなんで「旬の話題」では、中国と日本の記念集会の様子を紹介します。「スペシャルバスケット」は5月に北京放送を訪れた日本語部のOB(方宜さん、呂学如さん)や日本語放送をいつも支えてくださっているリスナーの稲垣喬方(いながき・たかまさ)さんにお話しを伺いました。
日本の中国への侵略戦争は1931年9月18日、日本軍が瀋陽郊外で「柳条湖事変」(9・18事変)を起こして、傀儡政権「偽満州国」を作ったことに遡りますが、本格的な全面戦争として戦火が中国全土に広がる発端の出来事は1937年7月7日夜に起きた「盧溝橋事変」(7・7事変)です。戦争は日本が1945年に敗戦を迎えるまで、8年間も続き、中国では「八年抗戦」と呼ばれています。
今年は77周年にあたることから、それを記念するために北京の盧溝橋近くにある「中国人民抗日戦争記念館」で、「抗日戦争勃発77周年記念式典」が行われ、記念館広場に設置されたモニュメント「自由独立勲章」の除幕式が行われました。習近平国家主席がこれに参加し、重要な談話を発表しました。
同じ日に、東京にある中国大使館では、「関東日中平和友好会、撫順の奇跡を受け継ぐ会、不戦兵士・市民の会、及び旧日本軍兵士が主要メンバーの「日中友好8・15之会」の4団体が「盧溝橋事変77周年」を記念する集いを共同で行いました。
大使館での集いに参加した関係者の一部が、先週の木曜日(7月3日)に北京放送を訪問しました。本部が東京都千代田区西神田の東方学会ビルにある「日本中国友好協会」の田中義教理事長の一行です。田中理事長はまた、日本中国友好協会がこの日に、東京都内で「もうひとつの七夕 合唱と講演の集い」という集会の様子も紹介してくれました。
更に、名古屋での動きについて、北京放送のOBでもある坂東弘美さんがリポートを寄せてくれました。それによりますと、この日は朝10時から、市民たちの団体"河村市長「南京虐殺否定」発言を撤回させる会"が名古屋市役所前で42回目の街頭宣伝活動を行い、その後、河村たかし名古屋市長に対して、改めて「南京虐殺否定」発言の撤回を求める要請書を提出しました。夜は、同会の発足2周年を記念し、講演会が開かれ、約100人の来場者を前に、真宗大谷派の青年僧侶・新野和暢(にいの かずのぶ)さんが、アジア太平洋戦争に協力した仏教、国家神道としての仏教について講演しました。新野さんは東京大学大学院総合文化研究科博士後期過程終了の学術博士、同朋(どうほう)大学仏教文化研究所客員研究員、高校教師でもあり、2014年3月に、社会評論社から『皇道仏教と大陸布教~15年戦争期の宗教と国家~』を出版しています。
新野さんは講演の中で、かつて日本の仏教界が「一殺多生」(いっせつたしょう、一人を殺して多くを生かす)などと唱え、戦争当時、軍とともに中国大陸に進出していった実態を話しました。なお、この講演会は<ノーモア南京>名古屋の会、 日中友好協会愛知県連合会、「不戦兵士・市民の会」東海支部愛知宗教者平和の会、子どもたちに「戦争を肯定する教科書」を渡さない市民の会の5団体が協賛しています。
番組の中で、合唱組曲「再生の大地」の一部を録音でお聞きいただきます。「歴史を風化させず、平和を守ろう」という日本の国民からの力強い訴えが歌声と共に伝わってきます。詳しくはどうぞ番組をお聞きください。
■歌詞の紹介(合唱組曲「再生の大地」第12曲)
<撫順の朝顔 めざめの花 ―前事不忘 後事之師―>
作:大門高子 曲:安藤由布樹
1 凍てつく大地に咲く花は 哀しみ 憎しみ超えて咲く
大地に生きる 人間として 武器より花を 贈りましょう
伝えてください 祈りをこめて 赦しを露に 撫順の朝顔
チェンシィーブーワァン ホウーシィーズィシィー
2 思い出 撫順に咲く花は 嵐を忘れず 超えて咲く
罪を認めて 人間として 武器より花を 咲かせましょう
伝えてゆきます 心をこめて めざめの花よ 撫順の朝顔
チェンシィーブーワァン ホウーシィーズィシィー
3 心をつないで咲く花は やさしさ藍(愛)に染めて咲く
しあわせ願う 人間として 武器より花を 育てましょう
つないでゆきます 願いをこめて いのちの花よ 撫順の朝顔
チェンシィーブーワァン ホウーシィーズィシィー
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