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ふるさとの春 【人民大学 王習佳】

2013-09-25 11:35:34     cri    

 静かに降る細かな雨。その雨のとばりを断ち切る燕が一羽。燕のおかげで活気に溢れた朝。これは夢で何度も出会ったふるさとの春です。

 3月になると、ふるさとで春の香りが感じられます。窓を開けたら、まるで「行こうよ!行こうよ!新しい世界を見に行こうよ」と春に催促されるような気がします。今の私は厚いコートを着ていて、「北京の春はなかなかこないなあ」と嘆息します。そう思いながら、ふるさとの春を心に刻んで、いつまでも忘れないと祈っています。

 「簡単なことじゃないか。ふるさとの春が好きなら、帰って見ればいいじゃないか」と思う人もいるでしょう。でもみなさん、大学に入ってから、ふるさとの春を見たことがありますか?毎年2月から7月は大体学校で忙しい生活をしていますよね。もしこのまま就職したら、ふるさとの春は遠い記憶になってしまうでしょう。南の方は柳が芽吹き、北の方は春の日差しに溶けた氷の流れる河。今、まだ寒い春の風が吹いている時、「庭の花もう咲いたかなあ」と私は思っています。以前は気が付かないくらい普通の景色だったのに、今ではこのような春を楽しむのは、とても贅沢なこととなりました。国語辞典によると、夢の意味の一つは「現実から遊離した甘美な環境」です。私にとって、ふるさとの春はまさにそういったものなのです。

 もっと大事なのは、ふるさとの春は私の心を清める存在です。今の私たちは毎日忙しくて、いい成績を求め、人間関係に悩まされ、結果を重視しすぎてプロセスの楽しさを忘れてしまいがちです。それは、ふるさとの春を無視するのと同じように、途中の風景を見ていても気がつかないということではないでしょうか。振り返ってみると残念でなりません。私からすれば、ふるさとの春はもう単純な思い出ではなくて、ある意味で生活の美しさを気づかせてくれるものです。将来、仕事や生活に迫られたとき、ふるさとの春を思い出せば、きっと同じような明るい心が呼び起こされ、何事にも向かっていけるでしょう。

 こんなふうにふるさとの春を胸に抱いて、明るい春のような人生を求めて生きていきたいです。実現できたかどうか、私がおばあちゃんになったらわかるでしょう。私が経験した大変なことは全部皺になってしまうけど、心の中にはきっと、花がいっぱい咲いていることでしょう。

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