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春と友情 【吉林市北華大学外国語院 王元貞】

2013-09-30 11:07:49     cri    

 大自然は自分の法則を持っていて、その法則で四季が巡ってきます。その四季は春、夏、秋、冬とそれぞれの働きを持っています。人間の心理状態も同じようなものでしょう。心理学によると、人間はいろんな心理時期があるらしいのです。ある時は体も心も満たされて積極的ですが、その逆もあるそうです。私は心理学を勉強したことがないですが、現実の生活で様々な体験をしているうちに、だんだん判ってきました。

 高校三年生だった私は、その頃よい大学に入るために、毎日必死に勉強していました。大学の入学試験の日が三ヶ月後にせまって来ましたが、緊張感は生まれてきませんでした。かえって、積極的に自分を向上させて、楽観的な態度で物事を扱い、その一方で友達とも楽しく付き合っていました。周りの物事は順調に進んているようでしたが、良い状態はいつまでも続きませんでした。それから、一ヶ月ぐらい後、私は原因が分からないまま、なんとなく元気がなくなりました。何もやりたくなくて、いつも人形のようにぽかんとしていました。勉強をしなくてはいけないのに、なかなかやる気が湧かなくなって無気力でした。

 消極的になったそんな私を見た友達は、心配してくれました。ある日授業が終わった後、その友達は繰り返し私を励ました。私が何も言わず黙っていると、彼女はポンッと膝を打って、「そうだ、外に行こう」と私に声をかけてきました。私は、茫然としていたのですが、彼女にひっぱられて学内を飛び出しました。そして郊外の公園に連れられて来ました。

 「ほら、見て、見て」と、彼女が公園の中央を指して言いました。私が目を移して見ると、思いがけない風景がありました。

 大地にはもう濃い春の息吹があちこちにあふれていたのでした。木は、緑がいっぱいに盛り上がり、真っ青な空の下に並んでいました。どんぐりのびっしりとなっている様子、そして、溢れんばかりの草木の新緑。子供たちは快活に笑ってチョウチョウを追いかけていました。それらの光景を見ているうちに、意外に気持ちが良くなりました。友達と目を合わせてほほ笑み、何も言わないで手をつなぎ草地の上に横になりました。

 目を閉じると、枝を渡るそよ風の音や草のそよぐ音や、子供たちの活発な笑い声がはっきり聞こえました。私の心臓もドキドキおどって、その音がはっきり聞こえるほどの喜びを感じたのでした。体の周りは、太陽の光がいっぱいにさし、草のにおいも漂よっていました。春が、むくむくとわき出ているような気がしました。そのうちに、知らず知らずに全身に力が溢れてきました。突然、「はあ、気持ちいいねえ!やっぱり春のおがけだねえ!」と友達が春の美しさにうっとりした様子て言いました。春の活力が私たちの体に注ぎ込んできたのを二人で実感したのでした。書物なんかを通してではなく、自分の感性を通して、春の活力が感じ取れ、自然の恵みをより確かなものに感じました。

 あの時のことを思い出すと、胸がキューンとして、その光景も目の前に浮かんできます。そしてまた「四季の歌」が聞こえてくるような気がします。"春を愛する人は心清き人、すみれの花のような僕の友達"。そして私は、あの時、春の恵みと友達というかけがえのない存在を確信したのです。

 元々人間は自然界で生きていて、即ち自然の一部分であるわけです。人間は自然の法則に従うべきだと思います。自然との調和を尊重して、自然から積極的にものを吸い込み、心理状態を調整する。つまり自然から学ぶということです。

 あの春の日、友達と共に過ごして、春と友情の恵みを実感できたことは、私にとって忘れられないことです。

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