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故郷の春 【青島農業大学 王婕】

2013-09-26 15:07:36     cri    

 最近、気温は徐々に暖かくなってきている。時々小雨が降る。暖かい青島で生活している私にとっては、故郷の特別な春が懐かしくなった。

 私の故郷は河北省の張家口で、「塞外の山城」と呼ばれている。故郷の春では次の三つが有名だ。

 故郷の春といえば、まず、空を覆う黄砂を思い出す人がいるだろう。張家口は内モンゴル高原にあるので、内地からの砂の影響を受けて、毎年春になると、風塵がいつも猛威を振るう。そして、黄砂のせいで、ほとんどの人は目の病気を患ってしまう。これについては、私の記憶にも残っている。私が小学生だった時、特に風塵が深刻な年があった。その日は、空は黄色になり、道を往来する人々は目が開けられなかった。そのため、人々はサングラスとマスクをせざるを得なかった。その後、政府は植樹をして林を作ることに力を尽くしている。よって、近年では、風塵の影響はそれほど深刻ではない。

 故郷の春は青島の春に比べると寒いと思う。故郷は高度が高く、暖かくなるスピードは遅い。その上、内陸からの北西風のため冷たい風が強く吹く。春と冬はまるで恋人のように、長い間別れられず、気温がほぼ同じである。清明節の頃ようやく暖かくなって、ゴールデンウィークの後に気温が落ち着く。

 しかしその一方で、強い風は様々な楽しみを持ってくる。張家口に住んでいる人々は凧揚げをすることに夢中になる人が多い。もし天気が良ければ、人々は広場で凧揚げをする。私の祖父は凧作りの名人だ。子供の時、私はいつも兄と一緒に祖父にまとわりついて、新しい凧を作ってほしいとお願いしていた。すると祖父は仕方なく、様々な凧を作ってくれた。祖父を亡くした後、凧は私と兄のひたむきな愛の支えになった。いつも凧を見ると祖父の笑顔を思い出す。今でも、毎年祖父の墓参りをする時、自分で作った凧を祖父に見せる。祖父との楽しみは一生忘れられない。

 さらに、故郷は山が多いので、春にはピクニックに行く人が多くなる。中学生の時、よく両親と一緒に家から近い賜兒山にピクニックに行った。出発の前、母とお弁当を準備するのがとても楽しかった。この時、初めて春が好きだと思った。小春日和の中道を歩いて、自然の息吹を感じると、体が軽くなり、気持ちがすっきりした。鳥の、抑揚ある歌声を聞きながらピクニックをすると、それまでとは違った特別な趣が感じられた。

 二年前青島に来て、大学生活をしている。毎年夏休みと冬休みだけ家に戻れる。二年間も故郷の春を体験できなかったことは、残念だと思う。昨日、母から電話があり、故郷に春の雪が降ったことを知った。暖かい青島にいる私は、特別な故郷の春を見ていたい。時間があったらきっと、春に家に戻って、また凧揚げをしたり、ピクニックをしたりしたいと思う。

 将来、どこで仕事をするかにかかわらず、故郷の春に関する記憶を絶対に忘れない。というのは、私が故郷の春を愛しているからだ。

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