中国語日記へ
朝から、しとしとと雨が降っています。少し肌寒い中、本日の取材は天一閣博物館から始まりました。天一閣博物館は明の時代の学者笵欽が建設した書庫で、現存する最も歴史の長い個人の蔵書楼の一つです。蔵書楼と聞くと重厚な図書館を想像しますが、雰囲気は中国の伝統的なお屋敷といった感じで、蔵書室の他に展示や庭園も楽しむことが出来ます。竹林や岩、中国情緒あふれる庭造りがまるでタイムスリップしたかのような感覚を醸しだしています。雨に濡れた石畳を辿り、幾つもの敷居や門を潜り抜けるとそれぞれの趣がある庭と展示楼に出会えます。
中はまるで迷路のようで夢中に散策しているうちに古の中国に迷い込んでしまいそう。
保存されている古書は約30万巻で特に明代の地方誌と科挙録は最も貴重なものとされています。
天一閣の北西に位置する北書庫
蔵書庫に入ると独特な木材の匂いが鼻を突きます。本棚というより厳重に鍵が掛けられたタンスのような棚がガラスの向こう置かれていて、そこから漂ってくる匂いです。こちらでは貴重な書籍を火災、湿気、カビから守るための工夫が欠かせないそうです。
長きに渡り受け継がれてきた歴史を現代まで大切に守り続ける天一閣。
しばし都会の喧騒を忘れる瞬間でした。
さて、時は移り変わり21世紀の現代。寧波では海洋経済の躍進を掲げ第2回中国海洋経済投資協議会が明日から開催されます。本日はその記者発表会が行われました。
中国海洋経済投資協議会は浙江省人民政府などの主催で9月15日~17日まで浙江省国際イベントセンターで開催されます。テーマは「海洋科学技術発展の促進と現代海洋産業の成長」で全国と浙江省の海洋経済におけるモデルエリアの建設を推し進めることが目的です。
また、第8回中国海洋ファーラム、第1回中国(南方)国際海産品博覧会も同時に開催され、展示を始めとして、ハイレベルフォーラム、協議会、プロジェクトの調印、人材と科学技術交流のイベントなどが行われます。また、広東、山東、上海、福建、大連、香港、台湾などをはじめ、国内外の代表団が参加します。
浙江省の海洋経済は2011年に4500億元に達し、浙江省全体のGDPの14.1%となりました。2015年にはその額は7000億元に増加する見込みです。
海は世界に通じ、尽きることの無い資源。この協議会では、その海と共に生きてきた都市たちが手をつなぎ更なる発展を目指します。
益々増進する海洋経済を安心かつ健全に支えるために税関の存在は欠かせません。そこで2006年に建設された寧波国際航運センターにおじゃましました。こちらは2009年から一般公開されています。
大きなホテルのような佇まいの建物ですが、各階はピカピカのお役所のようです。
館内の様子
ずらりと並ぶコンピューターで、輸出入貨物の物流状況の把握や、各種手続き、支払いなど多岐に渡るサービスを網羅しています。単なる税関の機能だけでなく館内で扱う手続きは96種類。検査検疫のほか、法律相談、金融機構も備えており1300人ものスタッフが働いています。センターは365日無休で24時間オープンしています。
館内の様子
現在はセンターのシステムの電子化が進み、あらゆる手続きを一手に処理できるため作業が効率化され、企業のコスト削減も実現しました。現在中国で3番目の規模の税関として日々稼動しています。
さて、ここは寧波港!
その発祥はなんと遡ること2300年前
当時の港
2009年、寧波港の貨物呑吐量は世界第4位に躍進しました。現在100以上の国と地域、600以上の港と貿易が行われています。また、全国最大の海上原油経由港であり2011年の取り扱い量は4.33億トンに達しています。
港の様子
今回の取材では杭州、舟山、寧波の海洋経済を主とした大規模開発や発展を知ることができました。日本は海に囲まれているため、その存在がなんだか当たり前のように感じていましたが海は私たちに大きな発展のチャンスをくれる巨大なパワーであることを改めて教えられました。
海洋経済を推進する上で外国とのつながりは欠かせません。
沿岸部の発展と共に益々グローバル化する中国。その未来の発展がエコで平和的なものであることを期待し今回の旅を終えたいと思います。
海よありがとう!これからも宜しく!
丹羽麻衣子
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