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選者のプロフィール
 李順然、中国国際放送局(北京放送)元副編集長。著書に『わたしの北京風物詩』『中国 人、文字、暮らし』『日本・第三の開国』(いずれも東京・東方書店)などがある。
前書き

 漢詩は、ときにはわたしを励まし、ときにはわたしを慰め、ときにはわたしの心を洗い清めてくれる。訓読の訳文に加えて、素人のまったくの「遊び」だが、和漢折衷の自己流の戯れ訳を添えてみた。日本の歌人の名訳を添えた詩もある。読んでいただければ嬉しい。

選者のひとこと
 秋を悲しく詠う詩の多いなかで、杜牧のこの詩はその結句、つまり結論で「霜葉は二月の花より紅なり」と秋を力一杯頌えている。ここでいう二月は旧暦で、新暦では花満開の三月、四月だ。
 この結句は、そのまま「霜葉紅於二月花」と、中年の悪を描いた新劇のタイトルに使われている。「霜葉紅合唱団」という老人コーラスがテレビや舞台で活躍している。「霜葉紅」という名の老人ホームもある。
 中国の中、高年層は、自分たちに生きる力と知恵を与えてくれる「霜葉紅」の三文字に親しみを感じ、励まされているのだろう。杜牧の功労である。
紹介した『私の漢詩歳時記』
• 私の漢詩歳時記―十月上旬
• 私の漢詩歳時記―九月下旬
• 私の漢詩歳時記―九月中旬
• 私の漢詩歳時記ー九月上旬
• 私の漢詩歳時記ー八月下旬
• 私の漢詩歳時記ー八月中旬
• 私の漢詩歳時記ー八月上旬
• 私の漢詩歳時記ー七月下旬
• 私の漢詩歳時記ー七月中旬
• 私の漢詩歳時記ー七月上旬
• 私の漢詩歳時記ー六月下旬
• 私の漢詩歳時記ー六月中旬
• 私の漢詩歳時記ー六月上旬
• 私の漢詩歳時記ー五月下旬
• 私の漢詩歳時記ー五月中旬
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