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果実の収穫、希望まく~芒種~

2017-06-09 17:07:03     cri    


 6月5日は二十四節気の芒種(ぼうしゅ)です。芒種は一年の中で農作業が最も忙しい時期で、芒(のぎ)のある麦を収穫したり、芒のある稲の種をまく季節ということから芒種と言われています。そんな芒種は希望の種をまきながら、幸福を収穫する季節とも呼ばれます。今回の中国メロディーは芒種の風習と音楽をお送りしましょう。

麦の波うねる季節

 毎年6月の初め、子供のカマキリが卵からふ化し、百舌が鳴き始めます。冬と春の大麦と小麦が熟する季節を迎え、農家の人たちが黄金色の麦の波の中で大急ぎで収穫している姿をよく見かけます。

 

 一方、夏の田植えも各地で相次いで始まり、この時期は青々とした稲の苗が芽吹く黄金期に当たり、北方から南方まで農家たちはみな田植えに忙しくなります。いま、各地の農家は果実を収穫し、希望をまく時期を迎えていると言えるでしょう。

梅を煮る季節

 6月の芒種、中国の南方地方では梅の実が青から黄色に変わり、熟する季節を迎えます。そんな梅の実はそのまま食べれば、酸っぱくて、渋みと苦味があるので、江南地方では砂糖や塩などを入れて煮て食べる風習が伝えられています。梅を煮る風習は今から3000年前の夏の時代に遡ります。

 また、「三国誌」の中の「青梅、酒を煮て英雄を論ず」という話もこの風習と関わりがあり、話の中に登場する二人の英雄は、豪快で腹黒い曹操と謙遜しながらもなかなか腹を割らない劉備です。二人は梅園で、梅の実を肴に、天下の英雄を論じたという逸話はとても迫力があり、二人の心の世界を生き生きと描き出します。

花神を送別する季節

 中国では古来より、旧暦2月2日に百花の神様の訪れを迎えることから花朝節を祝う風習があります。一方、旧暦5月の芒種の時には百花が萎れるため祭事を行い、花の神と送別する習わしもありますが、この風習は現在では人々から忘れられてしまっています。

 

 清の小説家・曹雪芹の長編小説「紅楼夢」の第27話には当時の貴族のお嬢様と若旦那が「送花神(花の神を送別する)」を行う様子が出てきます。芒種の早朝、貴族の少女たちは綺麗な衣装を纏って庭園の中に集まり、色とりどりのリボンで庭園の中の木の枝や花を飾り、様々な祭祀の供え物を並べて花の神と送別します。あちこちでロマンと喜び、楽しい笑い声が溢れます・・・

番組の中でお送りした曲

 1曲目 风吹麦浪(うねる麦の波)

 歌詞:

 青々とした空の下

 黄金色の麦の波がうねる

 そこはあなたと私が愛し合うところ

 そよ風は収穫の匂いを連れてきて

 私の顔にそよそよと吹いた

 あなたの優しい声を思い出し

 涙が零れてきた

 2曲目 滾滾長江東逝水(長江は東へ滔々と流れる)

 この歌はテレビドラマ「三国演義」の挿入歌です。

 歌詞:

 長江は東へ滔々と流れ

 その波は英雄たちの覇業を消し去った

 善悪も成否も無に転じたが 

 青き山々は今なお変わらない

 夕日が幾度と知れず赤く染める

 古今のどんな出来事も

 すべて笑い話となる

 3曲目 葬花吟(葬花の詩)

 この歌は「紅楼夢」の中で林黛玉が吟じていた「葬花の詩」をモチーフにしたものです。

 歌詞:

 風は花をひらひらと満天の空に舞わせる

 赤色は褪せて香りを失う 

 春はいったん消えて 少女も白髪を生やし

 花も人も死を迎える 

 花のことも人のことも知る者は誰もいない

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