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「西遊記」の名監督を偲ぶ①

2017-04-28 17:04:34     cri    


 4月15日、テレビドラマ「西遊記」の女性監督・楊潔監督が亡くなりました。享年88歳でした。翌日、中国の多くの主要メディアはこのことを報道し、各地のテレビやラジオ、インターネットも西遊記の挿入歌を放送し、楊潔監督に哀悼と敬意を表しました。そこで今回と次回の中国メロディーは、この偉大な監督を追悼するため、テレビドラマ「西遊記」の挿入歌を特集でお送りします。

奇跡的な視聴率89.4%

 中国のテレビドラマ版「西遊記」はCCTV・中国中央テレビが制作し、1986年に放送されました。放送されるとすぐに人気を博し、視聴率89.4%という奇跡的な記録を残しました。その後、毎年夏休み、冬休みになると西遊記の再放送シーズンを迎え、いまでも再放送は続いていて、西遊記をテレビで見ると「夏休みが来たな」と実感する人も多くいます。

時代を映す挿入歌

 そんなドラマの中では勇敢な孫悟空、慈悲深い三蔵法師、怠け者の猪八戒、忠実な沙悟浄などの人物がこの舞台で自分たちの個性を発揮しました。また、ドラマの挿入歌の美しいメロディーと歌詞も視聴者に深い印象を残しました。これらの挿入歌は一見すると神話物語を描いたように見えますが、実際には1980年代当時の中国社会と庶民の声を表しました。

 例えば、「五百年桑田滄海(500年の変遷)」という曲は、孫悟空が天界で暴れたお仕置きとして500年の間、山の下に閉じ込められていたことを描きましたが、人々が文化大革命の10年の時をむなしく過ごした苦しみと悲しみを歌いました。

九九八十一難の撮影

 テレビドラマ「西遊記」は1982年にクランクインし、当時50歳だった楊潔監督はスタッフたちを率い全国の名山や大河を踏破しました。撮影資金や撮影設備が足りず、決して満足できるような撮影条件とは言えませんでしたが、全員で力を合わせてこの素晴らしい作品を完成させました。

 当時、制作チームの設備は非常に粗末で、特撮シーンを撮るため、カメラマンも俳優も危険を冒して撮影に臨んでいました。ある日、沙悟浄が禅杖を持って空に舞い上がるシーンを撮るため、カメラマンは床に横になって仰ぎ見るように撮影していました。すると突然、沙悟浄を吊っていたワイヤーが切れて、沙悟浄の体と禅杖はカメラマンにぶつかり、カメラマンは意識不明になったこともありました。

 1988年、テレビドラマ「西遊記」制作チームは6年かけてようやくこの名作の撮影を終えました。楊潔監督は「スタッフたちは三蔵法師が天竺へ経文を取りに行く精神と意志を持って九九八十一難を乗り越え、この作品を作り上げることができた」と述べています。

番組の中でお送りした曲

 1曲目 五百年桑田滄海(500年の変遷)

 歌詞:

 500年にわたる変遷を経て

 石にさえもコケが生えていた

 心だけは諦めず

 自由気ままに憧れる

 2曲目 敢問路在何処(道はどこにあるか?)

 歌詞:

 君が荷を担ぎ 僕が曳く

 日の出を迎え 夕焼けを見送る

 でこぼこ道を踏み鳴らせば道になる

 妖怪と戦った後にまた出発

 一年また一年の春夏秋冬

 一つまた一つの艱難辛苦

 道はどこにあるか?

 道は足の下にある

 3曲目 女児情(女心)

 歌は、玄奘三蔵が孫悟空、猪八戒、沙悟浄の三人と天竺へ経文を取りに行く道中に訪れた女だけの国、西梁の国の美しい女王が三蔵法師に向けた限りない愛情を表現しています。

 歌詞:

 蝶々たちが花の間を飛び

 オシドリたちがつがいで連れ添う

 私は可愛い? あなたに聞いてみたい

 あなたと一緒にいる時間がいつまでもつづくことが私の願い

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